素直になれなくて。18 | 青いたんぽぽ

青いたんぽぽ

ぽそぽそと書いてます…
腐なので、ご注意ください(笑)

常に雑食←




( ˙³˙)ランラン( ˙³˙)ルー
 






゚*.。.*゚*.。.*゚*.。.*゚*.。.*゚



雅紀とデート

あいつ、好きな子がいるって言ってたのに。
なんでその子を誘わないで、オレなんかを誘うんだろう?
こんなことしてたら、その子にだって勘違…
するわけねぇーか、オレ男だし。

ただの友達

それ以上でもそれ以下でもない。

わかってるんだけど、雅紀と居るとオレが勘違いしちゃいそうだよ…

「はぁー」

ため息をつきながら、バイトを終えて自転車に跨る。
この前は、雅紀が運転してオレが後で。
ほんの少しなんだけど、それが凄く嬉しくて。
そんな時間を過ごせるのも、雅紀が好きな子と付き合うまでだ。

だから、もう少しこのままでいたい。



そう思いながら自転車を漕いでると、いつもの河原で男の子が必死に何かを探してた。

おいおい、こんな寒い時期に何やってんだよっ

オレは、急いで自転車から降りて河原に向かった。



いくら水量が少ないからって、子供がこんな中に入ったら危ないに決まってる。でも、そんなことを気が付かないくらい男の子は、ずぶ濡れになりながら必死に何かを探してて。

「どうしたの?」

そう聞けば、すごく大事なものを無くしたらしい。
そして、真剣な顔で。

「しょーちゃんにあげるんだ」

って。
オレと同じ名前の女の子に探してる指輪をあげるんだと。
驚いたけど、男の子は必死で。
そんな顔が、小さい頃の雅紀に似ていて…


「絶対、見つけるぞ!」


2人で気合を入れて、冷たい水の中を探す。
指輪だから、石の隙間に入ってるかもしれない。
そう思いながら、手を石の隙間に入れたり退かしてみたり。
男の子の一生懸命な姿に、どうしても見つけてあげたくて。
目を凝らして見てみると、赤く光る物を見つけて。手にしてみれば。

「これ?」

男の子に見せると嬉しそうに頷いて、オレから受け取った。

「ありがとう!」
「良かったな、あって」

男の子はホントに嬉しそうに笑う。そして、それを大事そうに手で包み込んだ。






つづく