あの日の約束。17 | 青いたんぽぽ

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(@´з`@)ノ゙テストにでまーす←うそですw

 

昨日の鉄腕○ASH

なまこ、ヤバくなかったですか?←同士求む(うそです2) 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚

 

 

 

ずんずんと先を歩くしょーちゃんに追いつくと、しょーちゃんはこっちをちらりと見て。

 

「ごめん」

「なんで?俺が謝る方でしょ?」

「ううん。大人気なく恥ずかしくなっちゃって。確かに、オレ、あんな格好してたから丸見えだもんな、パンツ」

 

いや、そのワードは今言わないで・・

 

「やっその…俺が悪かった」

「悪くないって。変な事言ってごめん」

「もうこの話は無しにしよう!せっかく、ここに来たんだしね。でさ。さっき、しょーちゃん、公園もって言ってたけど、他にもあるの?」

「えっあっうん。公園もそうなんだけど、あこが一番一緒に居たんだ」

 

しょーちゃんの指さす方を見れば、水量が少ない河原。

 

「あこ?」

「うん。あこでいっつも二人で話してたんだ。行こっ」

 

しょーちゃんはにこって笑って、俺の手を握り歩きだした。

 

 

「ここで一緒に、川に入ったり、石拾ってみたり。今考えれば、よくここで遊んでたなぁって思うね」

 

とくに何があるわけでもなく。でもしょーちゃんと一緒ならどこでも楽しかったのかもしれない。

しょーちゃんはふふふと笑って、川の方を向いてその場にしゃがむ。

俺もしょーちゃんと同じように並んだ。

 

「ここさ、あんまり人が来なくって。二人の秘密の場所っぽかったの。まぁ、丸見えなんだけどね」

「へぇ」

 

俺はそう頷いて太陽の光が差す川の流れを見つめる。

 

 

 

 

 

 

…い。無いよ。

 

ん?何が無い?

 

ふと頭の中で、小さい男の子。いや、俺が必死にその川に入って何かを探してる。

 

え?何?

 

あっちこっちを服や髪が濡れるのも構わず、必死に何かを探してて。

 

何やってんの?

 

川の中をばしゃばしゃと走り、泣きながら。

 

しょーちゃんに渡すのに!

約束したんだ!!

 

約束?

さっき、しょーちゃんが言ってた。

 

大人になったら迎えに行くって

 

 

 

俺は…

 

 

 

 

やっと見つけた、しょーちゃんに似合うの色。

しょーちゃんとおわかれする前に渡すんだ!

 

おれはそれを握りしめて、しょーちゃんんちまで走ってて。

 

「あっ!」

 

道に落ちてた石ころにつまづいて、持ってたそれが川の方へ転がった。

 

「ああああ!!!」

 

急いで起き上がり追いかけるんだけど、ぽちゃんという音が聞こえて。

 

「たいへん!!」

 

音のした方をみるんだけど、ぜんぜん分からなくて。

 

「どこ!どこ!!!」

 

水の中に手を突っ込んで、石の間を見たり、どかしてみたりすんだけど。

 

「ない!無いぃ!!」

 

しょーちゃんと約束したんだ。

大人になったら迎えに行くって!

そのときまで、俺のこと忘れないでって渡したくって!

 

「大事なものなのに…」

 

涙で見えにくくなって。でも、絶対見つけたくって。

必死に探してたら。

 

「どうしたの?」

 

声掛けられてそっちを見れば、しょーちゃんみたいな綺麗な男の人が心配そうにおれを見てる。

 

「無いの」

「何が?」

「しょーちゃんにあげるもの」

「しょーちゃん?」

「うん。大事なものなの」

 

おれの言葉に彼はちょっと驚いて。そして、そっかって笑って、自分が濡れるのも構わず、ばしゃばしゃと川に入ってきた。

 

「どこら辺に落としたの?」

「ここ」

 

さっき落ちた場所を指させば、彼はそこに手を突っ込んで探し始める。

 

「どんなの?」

「え?」

「キミの大事なものは?」

「ゆびわ」

 

彼はくすりと笑って。

 

「すげー大事なものだな」

「うん!」

「絶対、見つけるぞ!」

 

彼はホントに必死に探してくれて、おれと同じくらいびちょびちょになりながら。

 

「ねぇな・・・ここか?」

 

なんて、動いてくれてる。

おれも負けずに探して。

 

「おっ」

 

しばらく探してると、おれの後ろから彼が。

 

「おい、これか?」

 

振り返れば、彼の手にしてるものが見えて。

 

「それ!!!!!」

 

急いで彼の元に行けば、おれが探してたもの。

 

「ありがと!」

「うん。よかったな、あって」

「うん!」

 

彼はおれのあたまをぐりぐりと撫でて、川から出るように促した。

 

「ずぶ濡れだな」

「おにーちゃんも。でも、ありがと!」

「うん。それ、もう落とすなよ。大事なもんだろ?彼女も悲しむからな」

「かのじょじゃないよ」

「は?」

「しょーちゃんは、おとこだもん」

「は?え?お前、男に渡すの?」

「うん。しょーちゃんのこと、大好きなんだもん!おれ、これわたしてけっこんすんの!」

 

彼はおれの言ったことに驚いて。それから、おれと目線を合わせて。

 

「それは無理だよ」

 

そう寂しそうに言った。

 

「え?なんで?だって、しょーちゃんもおれのことすきっていってたもん!」

「好きだけじゃ、無理ってことあるんだよ。特に男同士ならな」

「でも!」

「お前も大きくなったらわかるよ。すっげー好きでも、諦めなきゃいけないことあるってな」

「おにーちゃんもそうなの?」

「まぁな。ここだけの話だぞ。オレも好きなやついるけど、そいつも男だから、オレは諦めるしかねぇんだ」

 

彼はホントに苦しそうに笑って言う。

 

「友達だったら、ずっと一緒にいれるから」

「ともだちのほうがいれるの?」

「そうだな」

「じゃ、これ、わたさないほうがいい?」

「いや、友達としてならいいんじゃね?お前の気持ちがこもってるんだろ」

「うん」

「ごめんな、こんなこと言って」

「ううん。一緒にさがしてくれてありがと」

 

彼はやっぱり、ごめんな、って言っておれのあたまを優しく撫でてくれた。

 

 

びしょびしょになりながら家に帰れば、ばーちゃんが驚いてタオルで拭てくれて。

早くお風呂に入りなさいって言われたんだけど、部屋にある封筒に見つけたゆびわを入れて。

 

けっこんゆびわ

 

そう書いて、ばーちゃんに渡した。

 

「なんだい、これ?」

「ばーちゃん、持ってって」

「はい?」

「おれ、ともだちになるの」

「誰と?」

「ともだちだったら、ずっといれるから」

 

ばーちゃんは変な顔してたけど、おれがくしゃみをしたからそれ以上は聞かないで風呂につれていった。

 

 

 

 

 

つづく