あの日の約束。8 | 青いたんぽぽ

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ぽそぽそと書いてます…
腐なので、ご注意ください(笑)

常に雑食←

 

またか。

 

まただ!

 

さくらいしょー。

 

さいきょー!!!←どうしたww

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚

 

 

 

 

しょーちゃん

 

その名前で思い出す人なんて、もう一人しかいなくて。

ドキドキが止まらなくて。

 

え?あのしょーちゃんが?

 

そう思うんだけど、俺の記憶のしょーちゃんは顔が見えなくて。

確信が持てない。

 

「あ…あのさ」

「何?」

「そのしょーちゃんって子さ」

「ん?」

「写真、無いの?」

 

たぶん、ダメもとで聞いてみる。

じいちゃんは、ああって言って。

 

「一緒に写真撮ってあげるって言っても、うんって言わなくてな。いつも可愛い服着て、雅紀とお似合いな二人なのにって思ってたんだかな」

 

本当に残念そうに言う。

 

「そっか」

「もう、あの子もいい娘さんになってるだろうな」

 

ぽそりとじいちゃんが言った言葉に。

 

「え?!」

「え?」

 

「しょーちゃんって、女の子なの?!」

 

「櫻井さん家のしょーちゃんは、女の子だけしかいなかったぞ」

 

じいちゃん、続けざまにもう一個、爆弾落としてきた。

 

「櫻井さん!?女の子?!」

 

「雅紀と遊んでたのは、櫻井しょーこちゃんだったよ」

 

もう、誰だよ、それ・・・・

 

 

 

 

 

 

「ははははは」

 

ニノが腹を抱えて笑ってる。

笑いたければ、笑うがいいさ。ちくしょー。

 

ばあちゃん家から帰ってきて、かぁちゃんに同じ話をしたら、やっぱり同じで。

遊んでたのは、女の子のしょーちゃんで。

でも、かぁちゃんはこっそりとしょーちゃんの写真を撮ってたっていうから、探しまくってもらって見せてもらった。

 

赤いスカートを履いて、リボンまでつけてもらってる、笑顔の可愛い女の子

 

そう、女の子。

櫻井翔は、男の子。

 

「そもそも、性別が違うぅーーーーー」

「そうだね」

 

ニノは、俺が持ってきた写真を見ながら笑ってる。

 

「でもさ」

「何?!」

 

この子さ、ちょっと翔さんに似てない?

 

そう言われて、ニノから写真を取り、じっと見れば。

白い肌。大きな瞳。ぷっくりとした紅い唇。

 

可愛い。。

 

じゃなくて。

確かに、しょーちゃんは可愛い。女の子みたいかって言われれば違うんだけど。

身体の線が細いけど、ちゃんと男の身体だし。

まぁ、癖なのか唇に指を当てたり、食事の時に頬いっぱいに頬張ったり、楽しそうに大声で笑う顔とか。

 

「しょーちゃんって可愛いよね」

「相葉くん、心の声がダダ漏れ過ぎて、うざい」

「うざいってなんだよ」

「うちの翔さんに手を出さないでくださいね」

「ニノのじゃないだろ?」

「俺のですぅー」

 

「恥ずかしい会話は、本人の聞こえないとこでやってくれ」

 

ここは、ニノの教室の事務所で。しょーちゃんが、いつ入ってきてもおかしくないんだけど。

急に入ってくるのは、心臓に悪い←

しょーちゃんは、若干…いや、結構赤い顔して事務所に入ってきて。

ニノの前のデスクに座る。

なんか、雰囲気違うな?って思ったら。

 

「あっ、メガネ」

「ん?」

 

しょーちゃんは、小首をかしげながらメガネを外し。

 

「ああ、これ」

「目、悪いの?」

「最近、視力落ちたみたいでさ。年?w」

「止めてよーwでも、似合ってるよ」

 

ホント、似合ってて。なんか、すげー出来る人みたい

 

「いや、実際出来る人だから」

 

心の声が漏れすぎてるのか、隣のニノが呆れながら俺に言う。

 

「うちの翔さんは何しても似合うから」

「だからさ、ニノ。それ、止めて。恥ずかしいから」

「ホントのことよ?何が悪い。で。そろそろ、ポスターの件…」

「断る」

 

どうもまだ、ニノは諦めてないらしくしょーちゃんを口説いてるらしい。

 

「俺用にするからさ」

「なら、尚更断る」

「じゃ、俺も」

「なんで、雅紀が絡んでくるんだよ・・・」

 

しょーちゃんは、うなだれ頭を振った。

 

「もう、なんでここで疲れなきゃなんねぇんだよ」

「コーヒーでも淹れてあげるよ」

 

ニノはそんなしょーちゃんを楽しそうに見ながら、席を立つ。

 

俺にも淹れろよっ

 

まったく俺のことを無視してるニノを睨みつけてると。

 

「あっそうだ」

「何?」

「待ってたよ」

「誰が?」

 

しょーちゃんは、にやって笑って。

 

「パン屋さん」

 

そう言われて、ニノのコーヒーを淹れる手が止まる。

 

何?

 

ニノは勢い良く振り向いて、しょーちゃんの側に駆け寄る。

 

「なんか、された?!」

「うん。抱きしめられた」

 

なんだろ?しょーちゃん、楽しそう?

 

ニノは、もぉー!って叫びながら、しょーちゃんの前にカップを置くと。

 

「あの人は、まったく!油断も隙も無い!!」

「ニノが遅いのが悪いんだってw」

「だからって言って、翔さんを抱きしめるのは、俺だけなんですっ」

「それも、どうかと思うけど?」

「いいの!もぉ、翔さん。このバカの相手しててください。俺、説教しに行ってきますっ」

 

そう言うとニノは、勢いよく事務所を出て行った。

 

 

 

つづく