あなただけをみつめる。28 | 青いたんぽぽ

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真っ直ぐ帰る気にはなれず、華やいでる街を歩く。
しばらく、こんな風に1人で目的もなく歩くことはなかった。
 
会社勤めの頃、周りのように時間ばかり気にしてせかせかと歩いた。
周りの景色など目に入ってこない。
会社を辞めてからは、周りを見ることなんてしなかった。
 
もったいなかったな
 
赤や緑、金にシルバー
街中がクリスマスカラーで彩られて。
歩く人たちが、笑顔になってて。
 
そうだ、リースでも飾ろうか
 
そう思って、目の前にある雑貨屋に入ろうとした時
 
「しょーちゃん?」
 
声を掛けられた。
そうオレを呼ぶのは、一人しかいなくて。
振り返れば、笑顔の雅紀が立っていた。
 
 
「クリスマスの飾りでも見に来たの?」
 
そう言ってる雅紀の顔は、笑顔なんだけどどこか寂し気で。
 
一番会いたくなかった。
今日は、オレを知っている…いや、雅紀だけには会いたくなかった。
 
「うん、まぁね」
 
出来るだけ距離を作り、雅紀と目線を合わせない。
それなのに、雅紀はどんどんオレに近づいてきた。
 
「そっか。俺も一緒に見ていい?」
「え?」
「俺さ、今日はもう終わって。暇だったんだよね」
「そう」
「うん」
 
ほとんど距離がなくって。
 
「あっ、ごめん!オレ…」
 
この距離が耐えられなくて、雅紀の前から離れようとしたら、ぐっと腕を掴まれた。
 
「逃げないで」
 
真剣な表情で、オレを見る。
 
「今日、あの人に会ってきたんでしょ」
 
雅紀の言葉に驚いて、雅紀の顔を見れば。
 
「お願いだから、逃げないで」
 
オレを掴んで腕を自分の方に引き寄せ、オレを抱きしめた。
 
「雅紀!」
「逃げないって言ってくれたら、離してあげる」
「わっ分かったから!」
 
まだ、夕暮れ前。人通りがある場所で、男同士のハグなんて注目されるだけ。
急いで雅紀を引き離すと。
 
「オレの店でいいか?」
「うん」
 
雅紀はオレの言葉に頷いた。
 
 
 
 
 
つづく
 
短くてごめん!←いつもだ
一回、切ります。