「ディストピア パンドラの少女」
(原題:the girl with all gifts)を観た。
良い映画だ。
近年、イギリスで製作されるゾンビ映画は、とても出来が良い。
「良い映画を作るシステム」みたいなのが機能している感じがする。
脚本や監督、キャスト、音楽、CGなどのレベルが平均水準以上だと思う。
資金にあぐらをかかない姿勢に好感が持てる。
※この映画は格闘シーン、暴力シーンが少なめ。ハリウッドの超大作ゾンビ映画が好きな人には物足りなく感じると思う。
観終わった後に考えさせられる作品が好きな私にとっては、どんぴしゃ素晴らしい作品。
【新しいところ】
・「ハングリーズ」というタイプのゾンビの設定が新しい。
・「菌」が原因でゾンビ化するという設定が新しい。
・「ハングリーズ」と「人間」と「ハイブリッド」という3つの勢力があるという設定が新しい。
・「ハングリーズ」に共通した意思(ゾンビなのに思考できる)があるのが新しい。
「なぜ、私が人間のために死ななきゃいけないの?」
自分の命と引き換えに、対ゾンビ化ワクチンが作れると説得されたハイブリッドの少女の一言。
こっち側(人間側)からすれば、人間が絶滅した世界など想像もできない。
全ての優先順位の1番は人類の存続だ。
生き残るためにあらゆる苦難を乗り越えようと努力するはずだから。
博士(人間)は、人類のために犠牲になってくれと説得する。
彼女が説得に応じない(失敗する)とは思ってもいなかっただろう。
ところが、少女は人間ではない。
ハイブリッドだ。
ハイブリッドの少女の優先順位の1番は「ハイブリッド」の存続だ。
そりゃそうだ。
一番最初に考える事は、ハイブリッドが生きやすい世界を作る事。
そこに人間がいようがいまいが、どうでも良いよね。
映画のラストは、最終的な勝者ハイブリッドが繁栄する世界。その中で隔離された人間がハイブリッドと共に生きていく世界が描かれている。
状況が変われば、立場は一変する。
立場が変われば、状況が一変する。
あれっ?
どっちが先だっけ?!
