リーガ・エスパニョーラ 第22節
バルセロナ対A・マドリード
第22節現在、首位のバルセロナと2位アトレチコの首位決戦となった一戦。
ネイマール、J.アルバなど怪我から復帰し、ピケは出場停止から明け、戦力が戻ったバルセロナ。
リーグ前半戦に比べて戦力も整い、後半戦は盤石な戦いをしていけるかと思いきや、エスパニョール戦、マラガ戦など度々不安な戦いも見受けられる。そして今節、バルセロナの現状を知るにはうってつけの相手であるアトレチコ戦。今節までの不安が如実に出ればバルセロナはアトレチコに食われてしまうのではないか、、、
一方のアトレチコ、アルダやミランダなど昨季の主力が流出しどんなシーズンになるかと思われたが前半戦は首位ターン。ミランダがDFラインから抜けたが相変わらずの堅守で、前線からプレッシャーをかける時と、堅い守備ブロックを敷く時、両方をチームとして確立し、チームとしての一体感は凄まじい。DFラインの上下、スライドは素早く、中盤のプレスバック、ライン間のスペースを空けないことなど、現代サッカーに必要な守備をかなり高いレベルでこなすチームだ。
アトレチコとしては前節バルサに首位を明け渡したが今節勝って首位に返り咲きたい一戦。
まあ、まとめると戦力も整い好調なように見えるバルセロナだが実際は不安な所はある。
その中で今節は、特に守備に穴がなく、前線にタレント豊富なアトレチコが相手ということで、どんな戦いになるかが注目だ。
次にスタメン。
バルセロナは、
GKにブラボ
DF右からアウベス、ピケ、マスチェラーノ、アルバ
MFはアンカーにブスケツ、右のインテリオールにラキティッチ、左にイニエスタ
FWは右からメッシ、スアレス、ネイマール
アトレチコは、
GKにオブラク
DF右からファンフラン、ヒメネス、ゴディン、F.ルイス
MFは右からサウール、ボランチにガビとアウグスト.フェルナンデス、左にコケ
FWはグリーズマンとカラスコ
バルセロナはピケが復帰し、どれだけ安定感をもたらすか。アルバの復帰は特に攻撃面を考えるとかなりプラスになる。そしてネイマールも復帰し突破も出来るしタメも作れるので、左サイドの攻撃は破壊力が戻るだろう。
アトレチコの横スライドがどれだけ速く対応できるかが注目。
アトレチコは中盤は守備の時にどのような陣形でバルセロナに対抗するのか。
という風に試合前に色々考えていたのだが、この試合を簡単に言うとアトレチコの自滅に終わってしまったんです。
試合開始から良い集中力で戦い、先制もしたアトレチコだが2度のミスから逆転された。そして痛恨だったのが45分に危険なプレーで一発退場となったF.ルイスのプレーがこの試合の分岐点となりました。
いつも冷静なF.ルイスだっただけにこういったプレーは残念でした。
ちなみに、65分にはゴディンが2枚目のイエローを貰って退場。
試合はほぼ決まってしまいました。
以上のようなことで試合が決まってしまい、残念な一戦となりましたが、
アトレチコはキックオフから同点弾を決められるまではさすがの戦いをしていました。
《弱点のないアトレチコの守備》
今節までアトレチコはリーグ戦での失点は僅か8失点。異常なまでの守備力だ。1試合で2失点したのはリーグ前半戦のバルサ戦のみ。
なぜアトレチコはこれほど守備が凄いのか。
前半を見た限り、アトレチコの守備に弱点がほとんどないということがわかった。
その守備の弱点として考えられることは、
○DFラインの統率力の問題があること
そのひとつはDFラインまたはMFの上げ下げ。
→DFラインが上がらないと間伸びが起き、DFラインと中盤ラインの間のスペースが生まれる。すると現代サッカーの攻撃のポイントのひとつである「間受け」に対応できなくなる。
スペースがかなりあると自然と対応は難しくなるのだ。
また、チーム全体としてラインを上げられない場合は、その分自陣に押し込まれてセカンドボールも奪われることが増える悪循環に陥る。ラインの上げ下げは基本的だが、怠ると相手に大きな隙を見せることに繋がる。
もうひとつのDFラインの統率の弱点として、DFラインの凹凸ができること。
→単純に↓の画像のようにDFラインに凹凸があると攻撃選手はオフサイドトラップを掻い潜りやすくなる。
また、↓の画像のようにクロスの際に凹凸があると攻撃側としては合わせるポイントになりやすい。
○横スライドを怠ること
→現代サッカーの守備において非常に大事な守備戦術である横スライド。守備ブロックを形成する守備の際に、横スライドの速さが全選手に求められる。
その守備ブロックを攻略する手段としてブロックの間のスペースでボールを受けてブロックを崩すか、サイドから攻略する形が多い。
守備のブロックを作る際に大事なこととして、選手間の距離を狭くすることが挙げられる。そうしないと選手間の間のスペースが広く「間受け」されてブロックが崩れやすくなるから。
なので守備ブロックを形成すると↓の画像の赤のチームのように非常にコンパクトな陣形となる。
↑この陣形を保ちながら、赤のチームは左右にスライドすることが要求される。このスライドが遅いと、↑の画像の黄色矢印のようにサイドチェンジされた時、逆サイドがフリーで1対1を仕掛けられる場面に繋がる。
↓の写真のようによくメッシに選手が4.5人つられて逆サイドのネイマールがどフリーになるシーン。
このシーンに対応するにはボールの出どころの予測と横スライドの速さが求められるのだ。
○中盤のプレスバックを怠ること
→簡単に言うとDFラインと中盤ラインでボールホルダーを挟み込んで奪いたい場面があるのだが、攻撃能力の高い選手に対してプレスバックを怠ると簡単に1対1でかわされてピンチに陥る。
それに対応するために中盤のプレスバックが必要となる。さらにサイドバックの攻撃参加が多い今、中盤のプレスバックがないとたちまち数的不利に陥ってしまう。
このプレスバックをするためには先ほど述べたDF時の各ラインの上げ下げが求められるのだ。
こういった守備の基本的な動作を怠ると、そのチームの守備での弱点となる。
この弱点を各選手の高い戦術理解、戦術を体現するためのトレーニング、プラスシメオネがもたすモチベーションによって、強固な守備組織を形成しているのがアトレチコだ。
特に守備ブロックをしっかり形成してバイタルエリアを閉じ、横スライドでサイドチェンジに対応すること。さらにプレスバックで挟むことは欧州のチームでトップと言えるのではないか。
↓見事な3ライン。バイタルエリアのケアをして間受けを予防。そしてボールの行き先を考えて素早く横スライドの準備。
↑このようにもちろん今回のバルセロナ戦でも十分に発揮されていたのだが、、、
◆プレスバックのシーン
↓アウベスからスアレスへ縦パスが入る(黄色矢印)。周りの選手は赤矢印に意識を変える。
◆守備ブロックから横スライドのシーン
↓プレスを回避したメッシがボールを持っている。蹴れる状態だが、アトレチコの守備陣は陣形を整えている。そして黄色矢印の方向にロングパスをした瞬間に。
◆アトレチコの先制のシーンは高い位置からのプレスバックからボールを奪ったことで生まれた。
↓プレスバックにて前後が塞がり、スライドによって中へのコースも塞いだアトレチコ。
一方で先制されたシーンのバルセロナの守備はずさんなものだった。
↑の写真にて、右サイドを突破された時に両センターバックが右サイドにつられてペナルティエリアをケアする選手はアウベスのみ。
なんとかマスチェラーノが追えている状況。しかしピケはあそこまでつり出されずに、ペナルティエリア内をケアすべきであった。冷静な対応ができなかったことが失点に繋がったと言える。
まあこのように最高の守備を体現するアトレチコだが、さすがに1人、2人と退場してしまうとバルセロナに勝つのは厳しい。
ただ、失点した時間帯は11人の時。2人少ない状態で失点しなかった。しっかり守備ブロックを形成して少ないワンチャンスにかけた戦いはさすがでした。
次にバルセロナの得点を見てみる。
アトレチコが11人の時に逆転したというところはさすがバルセロナだ。
もちろんアトレチコが幾つかのミスを犯してしまったが故に取れた得点なのだが、数少ない隙を見逃さなかったバルセロナがすごい。
《2度隙を見せたアトレチコ、その隙を見逃さなかったバルセロナの個の力》
バルセロナの得点シーン
①〈自滅したアトレチコ、とどめを刺したマスチェラーノ〉
↓ 悪夢の始まり
↑サッカーにおいて失点に繋がる可能性の高いシーンから得点が生まれた。そのシーンとは、適当に蹴ったロングボールがまた相手に渡ると自由にプレーするスペースが空いている状況が多い。すると簡単に陣地を取られて自由な2次攻撃に繋がってしまうことである。
↑のシーンはドリブルできたメッシからボールを奪い赤い丸の選手が適当にクリアする所。
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↑ここでバルセロナのセンターバックの後ろへ通るクリアかアトレチコの選手がいる地帯へボールがいったなら失点は免れただろう。しかしボールは広大なスペースがあり自由にボールを扱えるマスチェラーノの元へ、、、
そして、アトレチコのDFラインはまだ上がりきっていない、マスチェラーノの前の青いスペースは使い放題である。
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↓とどめを刺したマスチェラーノのダイレクトパス
↑ボールを拾ったマスチェラーノがワントラップでもしてたらアトレチコのDFラインのラインを上げる時間ができた。しかしマスチェラーノはダイレクトで前にいるネイマールにパスを出した。(黄色矢印)それを見たアルバはオーバーラップ。アトレチコとしては悲しいことにDFラインを下げてゴール前を固める以外守る方法はなくなる。
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②〈動揺を隠せなかったアトレチコ〉
バルセロナの2点目はアトレチコとしては初歩的なミスであった。
■横スライドが遅く、右ハーフェイライン付近でボールを受けたアウベスに全くプレッシャーがかからなかった。
■ボールホルダーのアウベスにプレッシャーがないのにスアレスにマーク付いてたヒメネスはスアレスと同じ位置からマークに付き、裏への対応ができなかった。(この場合第1に裏への対応をケアすべくスアレスより深い位置からマークをしてDFラインの裏をケアすべきだった)
1失点目で動揺したのか、アトレチコの2失点目はこのように初歩的なミスが2つ重なったことによって起こってしまった。
このように、この2得点はバルセロナの個の力プラス、アトレチコの犯したミスもかなり浮き彫りになった。
特に2失点目のミスは、完璧に近い出来だったアトレチコは同点弾を浴びたことで気持ちがガックリきていたのかなと感じる
そして2人の退場によって自ら首を絞めてしまったアトレチコであった。
バルセロナとしては重要な首位決戦を制してさらに波に乗りたい。
左サイドの復帰組がやはり結果を残し、攻撃においての重要性を示すこととなった。
DFラインでは失点の仕方は良くないものの全体を通してこれも復帰したピケが安定感をもたらし、これに乗じてマラガ戦不調だったマスチェラーノも良い出来であった。














