乳がんステージ4、トリプルネガティブで、パクリタキセルの次にする抗がん剤は?
乳がんのステージ4でトリプルネガティブの場合、パクリタキセル(タキソール)を使用した後の次の抗がん剤の選択肢にはいくつかのものがあります。以下に、その代表的な選択肢と治療法を紹介します。
次に使用される可能性のある抗がん剤
- エリブリン(ハラヴェン)
- 微小管阻害薬で、転移性トリプルネガティブ乳がんに対して効果があります。
- パクリタキセルに抵抗性を示す場合にも有効であることが示されています。
- カペシタビン(ゼローダ)
- 経口のフッ化ピリミジン系抗がん剤で、乳がんを含む様々ながんに対して使用されます。
- 手足症候群などの副作用がありますが、他の治療オプションに比べて経口投与が可能なため、患者の生活の質を維持しやすいです。
- ゲムシタビン(ジェムザール)
- DNA合成を阻害することでがん細胞の増殖を抑える作用があります。
- 他の抗がん剤との併用療法もよく行われます。
- ビノレルビン(ナベルビン)
- 微小管阻害薬で、パクリタキセルと異なる機序でがん細胞に作用します。
- 他の治療に抵抗性を示した場合の治療オプションとなります。
- アントラサイクリン系薬剤
- ドキソルビシン(アドリアマイシン)やエピルビシン(エリドレックス)など。
- 心毒性があるため、長期使用や高用量の使用には注意が必要です。
新しい治療法および臨床試験
- イムノセラピー(免疫療法)
- ペムブロリズマブ(キイトルーダ)などの免疫チェックポイント阻害剤が、トリプルネガティブ乳がんに対して使用されています。
- 免疫系を活性化してがん細胞を攻撃する治療法です。
- PARP阻害剤
- オラパリブ(リムパーザ)やタラゾパリブ(タルゼナ)など。
- BRCA1またはBRCA2変異を持つトリプルネガティブ乳がん患者に対して効果があることが示されています。
- 抗体薬物複合体(ADC)
- サシツズマブ・ゴビテカン(トロデルビ)など。
- 抗体と抗がん剤を結合させた薬剤で、がん細胞に特異的に作用することで副作用を抑えながら高い治療効果を期待できます。
まとめ
乳がんのステージ4でトリプルネガティブの場合、パクリタキセルの次に選択される抗がん剤は患者の全身状態、治療歴、副作用の管理などを考慮して決定されます。新しい治療法や臨床試験も検討の対象となるため、担当医と詳しく相談し、最適な治療法を選択することが重要です。