本書の肝
1️⃣シャレードがいっぱい
ヤツガレにとってのシャレードとはオードリーではなくファラフォーセットの方だ
正し、全く面白くなかった記憶しかない
ちなみにファラを知ったのはもちろん映画サタデーナイトフィーバー劇中の主人公の部屋の壁に貼られたポスターだ
もちろんヤツガレもそのポスターを購入
探せばまだ部屋にあるはず
本書でのシャレードとは文字謎の事だ
奇しくも、先週土曜日に始まったドラマ
相続探偵と同時進行で読んだから、なんだか頭ん中がぐちゃぐちゃになった
2️⃣レイコと玲子
なんかストーリー知ってると思ったら
ドラマ、東野圭吾ミステリーズであったヤツだ
かなり原作に忠実に再現されてるようだ
3️⃣再生魔術の女
これも短編ドラマであった
微妙に原作とドラマの内容を変えているのか
ヤツガレがちゃんとドラマを理解してなかったのか
原作だとハッキリ伝わるのでドラマだと誤解する場合ががある
作り手の意図ならそれもいいが実際どーだろう?
代理母、体外受精、日本と海外の差異
倫理問題、結婚と恋愛
良心の呵責、思い込み
4️⃣さよならお父さん
映画やドラマにもなった
秘密
の、プロトタイプ
秘密ではスキーツアーバスの事故だったが
本作では飛行機事故の設定だった
映像化するには飛行機よりもバスの方が簡単だし
当時、スキーバスの事故と過重労働の強制が社会問題になり始めた時期でもあった
日本では戸籍上、兄弟となっても籍を離れれば結婚できるが
血縁でなくても一度親子関係になった者は結婚は出来ない決まりだったと思う
モラルの問題は難しい、お国柄、宗教、時代など
場所や時代で変化するものだろうし
あと被害者家族と加害者家族の恋愛って言うテーマも東野圭吾作品には後日しばしば登場する
秘密のように明らかに被害者と加害者がハッキリしている場合もあれば、当初は被害者と思っていた側が実は加害者家族だったと言う顛末もある
立場によっては紳士的であると思われる振る舞いも
立場が逆転すると傲慢なだけな態度にもとれる
と言うアンチテーゼも多々ある
5️⃣名探偵退場
珍しく、海外設定、外人設定である
東野圭吾作品としてはヤツガレは初めてだ
非難しているわけじゃないが最近?の東野圭吾作品は最初から映像化される事を前提に書かれているようにも感じる、そう言う意味でも外国設定や時代劇設定は実写化しにくいから排除されるのかもしれない
ガリレオとかは佐野史郎さんがモデルであり、設定に明確なヴィジョンがある事がわかる
実際には福山雅治さんだったからこれほどヒットしたのだろーが(笑)
ある歌の一節に
笑わせたいなら笑ってはいけない
って言うのがある
今のお笑いはやってる芸人が笑う事でお茶の間の笑いを誘うのが一般的だが
それは演劇において
悲しみの表現は悲しいと泣き
楽しい表現は楽しいと言いながら笑うようなものだ
下手くそなモノマネが
近藤真彦
マッチで〜す!
って言うのと同じだ
本作では引退して落ちぶれた元名探偵が
本人だけは大真面目って言う所に滑稽さがあるのだと思う
演劇においても悲しみの表現をあえて笑いで表現できるような役者さんが好きだ
故に過去ヤツガレの作ったラブソングには
愛してる
と言うフレーズは一度も登場しない
多分、今後もだ
6️⃣女も虎も
酒は
ささ
とも読み
水墨画などで虎が笹と共に描かれる事が多い事から
虎🟰酔っ払い
と言うスラングになった(諸説あり)
劇中では選択肢が一つ増える事で生存率が下がるとの(主人公の)解釈だったが結果的に良くも悪くも確率的には上がっていたと言うオチだった
いい方のチョイスと思いきや実際には
悪い方のチョイスだったって言う皮肉?なんだろうけどちょっと弱い感じがした
7️⃣眠りたい死にたくない
イマイチ良くわからない
が
そもそも、この短編集に収録された作品は著者が気に入らなかったものらしい
8️⃣20年目の約束
これもドラマで見た
またまた
記憶違いかも知れないが映像化に対して予算の問題で蛇足的な設定はカットしてある
原作でのラストシーンもイマイチ意味不明だった
ドラマの方がわかりやすかったように思う
長編小説の場合にはだいたい逆なんだが
自分勝手に、自分の罪を無かった事にするって言う設定は良くあるが、自分の罪を必要以上に重く感じるって言うのも責任感とか良心の呵責などでなく自意識過剰の自己満足だと原作では述べている
同感だが
そう言ってしまえば身も蓋もない🤣
ヤツガレが大昔
付き合いのあった女性にありがちな特徴で
劇場型悲劇のヒロインタイプ
と言う名前で当時分類した
自分の過失による不具合を全て自分以外の何かのせいにして自分は世界一可哀想だと憐れむ事で悦に入る人を指す
本書は東野圭吾初心者にはオススメしない
ヤツガレのように
半数程度は比較的最近の作品を読んでからの方が正当に評価できると思う
巻末の著者自身による後書きも珍しく興味深い
じゃ