「パフォーミング・アーツ・キュレーション概論」第6限は、
同じく箕口一美先生が講師でした。
サントリーホールで開催されている室内楽の祭典「チェンバー ミュージック ガーデン」の話から始まりました。
この祭典は、サントリーホールの大ホールではなく、小ホールで行われます。
小ホールの名前は「ブルーローズ」💠
なんという美しい名前でしょう✨
青い色のバラの品種改良は不可能とされていました。
「ブルーローズ」は、「不可能、ありえないもの」の代名詞でした。
花言葉も「不可能」です。
「Blue Rose(青い薔薇)」は長い間、バラ愛好家の夢だったのです。
ところが、サントリーが青いバラを開発し、青いバラの花言葉は、「夢叶う」になりました。
その「ブルーローズ」を冠した小ホールで室内楽の祭典「チェンバー ミュージック ガーデン」は始まったのです。
フルオーケストラと違い、室内楽は小規模です。
演奏家の息づかいや表情を見ることができます。
クラシック音楽の原典である室内楽に何を求めたのか。
⚫若手演奏家の室内楽教育の場として
⚫人と人が集まる場所として
⚫いろいろなレパートリーをやりたい
⚫いろいろと発信したい
⚫アカデミーを立ち上げる
⚫演奏家にコンクール入賞を目指してもらう
小規模な分、こまわりがきくので、企画側も演奏家側も自由がききそうです。
アメリカのクラシック音楽の衰退の話も興味深かったです。
お客が高齢化してしまい、
コンサートの集客が難しくなり、寄付も減ってしまったようです。
そこで、地域のコミュニティにおいてクラシック音楽に存在意味を持たせたようです。
演奏家に地域貢献のやり方を教え、学校や施設訪問を行ってもらうことで、
クラシック音楽が人と人をつなぐ架け橋になったようです。
今の時代にクラシック音楽をやることはどういう意味があるのか。
何を発信したいのか。
何を表現したいのか。
コンセプトがしっかりしていると、受け手にわかりやすいと思いました。
ちなみに、サントリーホールの大ホールは、客席の配置がブドウの段々畑のようなヴィンヤード型です。
(『名探偵コナン』のクリス・ヴィンヤードのヴィンヤードです)
座席もワインレッド色でブドウ柄です。
天井のシャンデリアはシャンパンの泡が立ち上る様子をデザインしたものです。
サントリーホールのコンサートの前にワインですな🍷🥂
ワインと言えば、ギリシャ神話で酒の神デュオニソスです(ローマ神話ではバッカス)。
デュオニソスも演劇と関係の深い神様ですが、この話はいずれまた✨
サントリーホールの「チェンバーミュージック ガーデン」で室内楽にフォーカスしたという話が興味深かったです。
室内楽はクラシック音楽の原点。
クラシック音楽だけに関わらず、どこの業界も成熟期を迎えると、原点に立ち返るような気がします。
ただし、小規模なものになるため、あまり利益にはならないような気がします。
有名アーティストがまず着手して世間の耳目を集め、若手の活躍の場として続けていくというのがセオリーでしょうか。
娯楽の多様化とともに、人々の興味が分散し、クラシック音楽が衰退していると思います。
実はクラシックバレエや日本の伝統芸能でもお稽古人口が減って衰退の兆しが見えています。
音活の話、特にアメリカの「ヤング コンサート アーティスト」の事例はクラシックや伝統芸能のこれからの参考になると思いました。
日本だと、能楽師の方々が教育現場や地域に出向いてアウトリーチに力を入れていると思います。
アジサイの種類がたくさんあってビックリです。
白いアジサイも素敵でした。