昨日、実家に帰った。

4月、母の葬式以来だ。


父は相変わらず、母の荷物で囲まれた部屋で

過ごしていた。


先月、父と会った時には


「35年も付れ合ってて、いきなりいなくなると

なにもやる気おきないよな」


と、本音を吐露していた。愛情からの言葉だろう。


しかし、実家は以前から物が多く

ごちゃごちゃしていて、母のこだわりもあり

なかなか片付けるのが難しい状態だった。


私にとってはあまり安らげる場所ではなくて

掃除も行き届いてない箇所が多く

健康的にも良くないと思っていた。


だから、昨日、私は思いきって片付けをしてきた。

母の使っていた衣類など、袋に入れてまとめた。


母が使っていたエプロンや

よく着ていた羽織りもの


前に一緒に行った、いちごプラザで買った

大福の空き容器に書かれた

「ありがとう」のメッセージ。


そんなのゴミなのに

残しておいても仕方ないものを…


でも、そんなメッセージを書く母の気持ちが

伝わってきた。


片付けをしながら

「これって、遺品整理なんだ…」

とふと思った。


母の早すぎる人生

父の悲しみ

私の出産

祖母の、母を追うようなその後


今年はいろいろなイベントが起こっていて

精神的ショックが大きい。


だけど、そんな中でも


母の1ヶ月後に

月命日に産まれてきてくれた我が子は

みんなの心に明かりを灯してくれる存在だろう。


悲しみの漂う、広い家の中で

子どもの大きな泣き声が響いた。


この新しい生命力に

邪気や、父の悲しみが払えれば良いと思った。


まだまだ母の遺品整理や、父の心の整理には

時間がかかりそうだから


これからは時々、ひとりでも

実家に行こうと思う。


父には健康で、元気に長生きしてもらいたい。