50代夫からの離婚申立、妻は40代。

(1)経緯

 初回調停で夫は事前連絡ありの欠席。申し立てておいて欠席は不自然。何か裏がある。妻は出席したが、裁判所からの出頭要請は夫の紙袋から裁判所の封筒が見えたのを偶々見て、離婚の相手方になっていることが判明し、来庁した由。同居の自宅では普段と変わらず2人で生活している。子供はいない。

 妻が言うには、申立書の記載文字が夫の前前の妻の字で、夫は2回離婚しており、昨年夫のお父さんの葬儀に参列した前々妻と復縁したのではないか、とのこと。妻は前々妻から夫へのラブレターを見ている。それでは次回期日に夫から真意を聴こうとなった。

(2)第二回期日

 夫は無断欠席。出席した妻に聴くと、家では普通に2人で生活しているとのこと。妻曰く、「多分夫は、妻は調停のあることを知らないのではないか、と思っているのではないだろうか。」とのことであった。

ますます不可解ではあるが、次回期日を通知して夫が欠席であれば”なさず”として裁判所は処理することとなった。

第三回期日はやはり夫は無断欠席であった。妻は出席したが、相変わらず普通に生活しているとのこと。

(3)背景

 申立の背景を推測すると、前々妻が元夫を現在の妻と離婚させたいために申立書を捏造し提出したのであろう。裁判官も驚いていたが、なさずの通知を受け取った夫がどのように反応を示すのか、妻は前々妻に慰謝料請求するのか、何等かの行動は示すであろう。

夫の真意は「離婚しない」であることは明らかである。

 こんな申立があるのか、後味の悪い出来事であった。。

以上