「…でさ、そこできたりえがさ…」
「あぁ、分かります。里英ちゃんって昔からそんなところあるんで」
「やっぱりそうなんだ」
指原さんから話しかけてくることはまだないが、俺が話を始めると返してくれるようになった。
少しずつ笑顔を見せてくれるようにもなったし、本当の友達までもう少しかな?
「あ~!!やっぱりここにいた~」
「きたりえ!?なんでここに…」
「なんでって、もうシフトの時間だよ!!
五分前になっても来ないから探しに来たんだよ」
時計を見ると針は13時、俺のシフトの時間をさしていた。
指原さんと話してていつの間にかこんなに経ってたのか。
「でも、よくここだって分かったな」
「真が行きそうな場所ってここぐらいかなぁと思ってさ
にしても探したんだからね!!」
「悪いな、指原さんと会話が弾んでさ。
時間が経ってるの分かんなかったんだよ」
すると、ニヤニヤしながら俺を見るきたりえ。
こういうときは決まってめんどくさいことを言ってくる。
「ほ~、莉乃ちゃんと会話がね…」
「な、なんだよ…」
「もしかして、真ってさ…」
さぁ、今回は何を言い出す…?
「…莉乃ちゃんのこと好きなの?」
「なっ!バ、バカなこと言ってんじゃねーよ!!」
「え~?だって、微妙な距離があった二人が会話を弾ませるなんてねぇ…」
「別に弾んだっていいだろ!?」
「そ、そうだよ里英ちゃん!!疋田さんとはそんなんじゃなくて、友達みたいな感じだし…」
「そ、そう!!指原さんと俺は友達みたい……
え、指原さん…今なんて?」
「…だから、疋田さんは指原にとって友達みたいな人…です」
「莉乃ちゃん…」
俺は今、ずっと聞きたかった言葉を耳にした。
『友達』
それを指原さんの口から聞けた。
「指原さん、ありがとう」
「いえ、感謝されることじゃないですよ。
それに、指原は疋田さんに謝らなきゃいけないですし…」
「え、どうして?」
よく分からなかった。
指原さんが俺に謝ることってなんだ?
「…指原、疋田さんのこと疑ってました。
実は、指原が中学生の頃にあることがあってですね…」
「…!!」