空手備忘録③空手大会観戦記ー3 | 極真空手守山支部長のブログ

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名古屋市守山区の空手道場
名古屋市守山区向台2-1605 天子田コミュニティセンター 土曜日18時~20時 21時まで開放
幼児から壮年まで男女、親子、兄弟が仲良く稽古しています 無料稽古体験してみませんか
極真会館尾張名古屋松田道場(松田伸雄総師範) 電話(0568)85-5533


第5回全世界空手道選手権大会

1991年の第5回全世界大会は結果的に大山倍達総裁最後の世界大会となりました。出場選手も過去最高の250人程となり、超巨大なトーナメントとなりました。

その年結婚した私ですが、今回も3日間とも観戦し、初日は二人で、二日目は七人で、最終日は妻や職場の格闘技好きの仲間10人程で観戦しました。職場では空手ツアーと呼んでいました。

大会の記念演武は日本の支部長全員で行われるとのこと。照明が落とされた中、全員での基本の正拳中段突きが始まりましたが、一人だけ他と違った大きな気合いの人物が…?基本が終わり照明がつくとスモークが床に漂うなか一人の人物が…?なんと大山倍達総裁でした!

今大会のために創作された「円転掌」の型を演武されました。型「転掌」の動作を四方に向けて行い、極真マーク=観空マークの元となった型「観空」のはじめの動作、大山総裁が創作された手刀回し受け、円型逆突きなどが網羅された極真空手の集大成のような型でした。この演武を見れただけでも今大会に来た価値があると思いました!
大山総裁の円転掌の型演武

アンディ・フグ×フランシスコ・フィリォ(ブラジル)では、兄弟子のアデミールが前回大会で自身が負けたアンディ対策をフィリォに伝授したとのことで、アンディの得意技をことごとくカットし、最後には上段回し蹴りでノックアウトしました。勝ったフィリォは雄叫びをあげ、凄い若手が出てきたと誰もが思ったと思いました。
アンディ×フィリォ

岩崎達也×ジャン・リビエール(カナダ)は、見あった状態から両者同時に後ろ回し蹴り。わずかに早かったリビエールの蹴りが当たり、岩崎無念の壮絶な一本負けとなりました。はじめ何が起こったかわかりませんでした。体育館の巨大スクリーンにスローモーションの映像が映し出され、館内が大きくどよめきました。
リビエール×岩崎

八巻建志×フランシスコ・フィリォは後の世界チャンピオン対決で今にして思えば夢の対決でした。この時は延長に次ぐ延長の末、八巻に軍配が上がりましたが、最後に八巻の気力が勝ったように思いました。フィリォはその前のアンディ戦で気力を使い果たしていたとも言われました。
フィリォ×八巻

そして今大会のために復帰した緑健児は、奄美大島の緑の実家に足を運んだ大山総裁の期待に応えるよう大活躍。これまでの華麗な足技に加え、左変則横蹴りからの突きの連打や上段と思わせての中段回し蹴り等を駆使して勝ち上がりました。準々決勝は巨体で「本部の怪物」と呼ばれた全日本ウエイト制大会重量級チャンピオン常連の七戸康博、準決勝は全日本大会初出場初優勝の記録を持つ「格闘機械」黒澤浩樹、決勝は前年の全日本大会で緑を破りチャンピオンとなった「爆撃機」増田章といった日本人の優勝候補たちと戦い、それぞれ大激闘の末に体重判定ながら勝利を収め、165センチ70キロの体格の「小さな巨人」が見事に250人の頂点に立ちました!私と同い年で体格も変わらない緑の優勝は本当に嬉しかったです。
緑×七戸
緑×黒澤
緑×増田

前回四年前の全世界大会で負けて一度は引退し実家のある奄美大島に帰郷。その後復帰して全世界大会での優勝。165センチ。70キロの体格での優勝。強い精神力とウエイトトレーニングで鍛え上げた肉体、ハードな稽古に裏打ちされたテクニックでつかみ取った優勝。極真空手のみならず、空手を学ぶ全ての人に夢と希望を与える優勝であったと思います。
(文中敬称略)

世界大会会場の東京体育館の前で
職場の格闘技好きの仲間10名程と観戦
二階席から見た試合場の様子