知多半島にある空手流派の本部で行われる型合宿では、本部道場の一般の道場生の皆さんと一般的な空手の稽古をしたり、館長や師範より様々な型の手解きをしていただき、館長からは詳しい型の分解=使い方も教わりました。
今思うと大変有意義な稽古であったと思います。特にバッサイ大、セーパイについて詳しく指導していただきました。型には護身に役立つ技がたくさん隠されていました。初代館長の伝える技には一流一派を立ち上げた創始者ならではの凄みが感じられました。
現在、その流派は当時の館長のお孫さんが三代目館長をつとめられ、現館長は現役時代に全日本選手権の型で何度も入賞される程に活躍され、道場も隆盛で型の一流選手を排出されているようです。陰ながら応援させていただいております。
学生のみの強化合宿ですが、一年生の夏合宿の行き先をはじめて部室で聞いたときは耳を疑いました。「マニラ」って日本のどこ?
自動車学校に通うためと考えていた夏休みのアルバイト代は、全てマニラ夏合宿の費用に消えました。
フィリピンの首都マニラは、もちろん日本ではないので気候も違い、朝のマニラ市内でのランニングでは、朝から高温多湿でひどく疲れました。
さらに高温多湿の体育館の稽古で、夏合宿名物の人乗せ前屈(肩車し前屈立ちで延々と移動)、人乗せ屈伸(肩車し一歩進む毎にスクワットし延々と移動)が行われ、私は目の前が真っ暗になり倒れてしまい、海外ということもあり、そのまま稽古を休むことになりました。はじめての経験でしたが、情けない思いで一杯でした。
マニラでは地元の大学マーシャルアーツ部との合同稽古と演武会、観光で見た中国武術の気功など様々な体験をすることができました。
強化合宿の強烈な思い出としては、「夜襲」が挙げられます。はじめのマニラ合宿では海外のためありませんでした。
合宿中盤の深夜の零時に、昼間の稽古で気合いが入っていないと「夜襲だ!起きろ~!」と先輩にたたき起こされ、砂浜までランニングし、砂浜で正座し長時間の黙想。竹刀がビュンビュン唸り、これまでの反省と明日からどうするか一人ずつ大声で決意を発表させられました。
いつまで正座が続くかわからず、砂浜の砂利が足にめり込み痛く、本当に恐怖の体験でした。その翌日の夜、更なる恐怖もあったのですが・・・これは胸にしまっておきます。(つづく)