P.26 アルフレッド・ベスター「分解された男」「虎よ、虎よ!」 | ☆スカイ ブルー ノート♪

☆スカイ ブルー ノート♪

☆空色のノートに大好きな映画や音楽やetc.…について綴ってゆきます♪

ブライアン・デ・パルマ監督が映画化を熱望したSF小説が、アルフレッド・ベスターの「分解された男」(1953)。
第一回ヒューゴー賞に輝く名作です。

24世紀。人の心を透視するエスパーの存在がシステム化した時代。犯罪を監視する警察のエスパー。それに対抗し殺人を犯した男。犯罪に加担するエスパー。虚々実々の攻防戦。

追う者と追われる者というヒッチコック的モチーフ、精神分析とアイデンティティーの崩壊(「殺しのドレス」「レイジング・ケイン」等のサイコ・サスペンスに通じる)等々、確かにデ・パルマ作品のキーワードを彷彿させる要素が見られます。

確かに……面白い!

ですが、残念ながら訳文(創元SF文庫版)に違和感があり、素直に楽しめない! 本当は、もっともっと面白いハズ!!

嗚呼……伊藤典夫訳「破壊された男」(ハヤカワSF)で読み直したい……

ベスターのもうひとつの代表的名作が「虎よ、虎よ!」(1956)。

25世紀。宇宙船で漂流していた男ガリヴァーは、自分を見殺しにした宇宙船への復讐を誓う。テレポーテーション能力を駆使した壮大な復讐劇。

面白かった!!

「モンテ・クリスト伯」を意識したという怒涛の展開は圧倒的な迫力! 特にダイナミックなクライマックスは圧巻!!

人間存在の根源に迫る宗教的な問いかけもあります。

実験的・感覚的な文体なので、これもまた現代的な翻訳で読みたい気もします。