僕は本当に心が麻痺したようだ。感情がなくなった。辛いけど涙も出なくなった。何一つする気も起きないただすることは過食して自己嘔吐することだけを自主的にしているようなもんだ。もはや、愛、恋、信じる心、期待、未来への希望、何一つ持っていない。いつだったか…ずっとタトゥーを入れたいと思っていた。まだ女の子が大半を占めていた時期があった。愛、恋という花言葉を持つ真っ赤な薔薇と蝶々を入れる予定だった。けど僕は入れる直前に墨師さんに入れる花を無理を言って変えてもらった。それは「離れゆく愛」という花言葉を持つ蓮の花。僕はもう本気の恋愛はしない、愛なんかいらない、そう墨師さんに話しながら入れてもらった。入れる時は麻酔なんかしない、痛いに決まっている。けど僕は心の傷のほうが痛すぎて墨を掘る時の痛みなんてほとんど感じなかった。今までしてきた虚しい恋愛の歴史を思いだしながら入れてもらった。珍しい女性の墨師さんだった。僕の辛かった話しを聞きながら入れてくれた。とても綺麗に入れてくれた。僕はその時、もう本気の恋愛なんてしないんだそう決めていたのに…。
地元の石川の親友にそのことを話した。「くレア、蓮の花を体に墨として入れるのは縁起がいいんだよ。お釈迦様の座っている花は蓮の花。蓮の花は汚い泥の中から綺麗な花を咲かす事ができる。だからくレアもこの汚い世界からきっと綺麗な花を咲かすことができるよ」と僕に言ってくれた。どんなにその言葉に救われたかわからない。
僕はまた不倫だったけど、ある男性と知り合い、お互いに恋に落ちた。落ちたというより堕ちたのだ。彼には奥さんも子供もいる。僕を一番に愛してくれるわけがない。当たり前だ、そんなことはわかりきっていたこと。本気になるつもりなんか更々なかった。けど、僕に対する姿勢がきっと愛だったんだ。お金なんかもらってない、タバコや、お茶、お弁当、ホテル代そのくらいは出してくれた。けど病気が酷くなってきて、彼に肉体的精神的疲労と負担を与えている自分が許せなくなりおととい、突き放した。僕はもう守ってくれる人もいなければ頼る人もいない。一人ぼっち。もう心も感情もいらない。あるだけ苦しむ。感情が、心がないほうが傷つかなくて済む信じて裏切られても、期待して裏切られても、傷つかなくて済む。僕は人形。感情のない、人形。