二宮敦人著「最後の秘境・東京芸大」新潮社。

サブタイトルにあるように天才たちのカオスな日常をおもしろく、かつ感心しながらたのしめる。美大、音大のみの単科大学と違って両方がある芸大の両者の違いとそのコラボの可能性も面白い。
美術も音楽もなくてもよいのに、なくてはならない、そんな世界に夢を求める芸大生をますます応援したくなるし、社会ももっと活躍の場を提供すべきだろうと思う。

※筆者は1985年生れ、一橋大出身のライターでその奥さんが現役の芸大彫刻科の学生というのも話題になるだろう。

※そんな芸大生だが平成27年度の学部卒業生の進路状況は
卒業生486名。うち半数の225名が「進路未定・他」という分類の行方不明。大学院への進学168名を合わせて8割になる。ちなみに明らかに就職した人は48名と1割に過ぎない。
大学院に進学してもいずれ修了になれば社会にでるか行方不明になるかで、やはり芸術の世界は前途多難。