妊娠がわかった時の素直な気持ちを見つめ直してみた。


※妊娠に対する素直な感情が書いてあります。意にそぐわない方や読むことが苦痛と感じる方は、読むことをお控えいただけますと幸いです。


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とにかく、嬉しかった。

これが1番なのは間違いない。

この世で1番愛する妻と毎日暮らしているだけでも幸せなのに、その妻との間に子どもができたのだ。

事実、私の体も全身の血管が緩み、手足の先まで血をたぎらせて喜んだ。身体が熱かった。

妻と私だからこそ授かった命。

愛おしいし、嬉しいし、少し恥ずかしい。

ただ、申し訳ないけど100%の幸せではなかった。


不安もあった。

自分は人間としてまだまだ未熟だ。

指摘されなくとも、そんなことは自分が1番よくわかっている。

テキトーだし、楽観主義のくせに緊急事態が発生すると超悲観的になってウジウジするし(前のブログの「妻から急な電話」のエピソードもこの一面が垣間見えていますね)、騒音の中で声を聞き取りにくい耳を持っているし、仕事もまだまだ一人前には程遠い。


こんな人間が、10ヶ月後には父になるのだ。

善悪を教えなければならないし、間違ったことをしていたら叱らなければならない。

でも、善悪なんて実に主観的なものであって、その場の状況や時代が変わればいくらでも変わりうるものだ。

私だって、善悪なんてよくわからない。間違いだってよく犯してしまう(さすがに逮捕されるようなことはしてないけれど)。

果たして、自分に「指導」などと大それたことをする資格があるのだろうか?


医者として、たくさんの子どもを診てきた自負はある(そういう診療科なので)。でも、我が子が具合悪くなった時に「医者モード」になって「これくらいであれば受診の必要はないよ。体を冷やして様子を見ようか」などと提案できるだろうか?

提案したところで、妻はそれを受け入れるだろうか?

※前任地で小児科の先生のお子さんが熱を出した際、小児科医モードになってアセスメントをしたところ、奥様に「エビデンスはなんだ!?」「この子を他の子と同じと考えていないか!?」「それでも本当に医者か!?」と言われたとのエピソードを聞いたことがあります。相当落ち込まれていた先生の姿が印象的でした。


そして前のブログにも書いたが、我が子は、どのように成長するのだろうか?

健康で生まれてきてくれるだろうか、すくすく育ってくれるだろうか、ある程度育ったら育ったで、非行に走らないだろうか、引きこもりや不登校にならないだろうか、友達はできるだろうか、父を嫌わないだろうか、健康に育つだろうか………


心配の種は多い。

これはきっと妻もそうなのだと思う。

妻の場合はお腹に子供がいて日々胎動を感じているのだから、この不安はよりリアルなものとして感じているのだろう。そしてもっと違う不安もあるに違いない。


そんな妻に私の不安をぶつけたら妻はどう思うか?

そんなことは考えなくともわかる。

頭に来るだろう。

お前はしっかりしてくれ!!と。


家族の健康は僕が守る(そういう仕事なので)。

子育ても、なるべく参加したい(朝早く、夜遅い帰りなのは本当にごめん)。

そして、なんとか僕は2人でこの子を育て上げたいのだ。他の誰でもない、妻と2人で。

これらの不安と決意はぐっと飲み込んで胸に置いておくこととした…のだが、抱えきれずにブログに書いてしまう情けない僕なのである。



そして、これは妻には絶対に言えないのだが、正直なことを言うと妻と2人の時間がもう少し欲しかったな、という気持ちが全くないと言ったら嘘になる。

私たちは付き合って約半年で結婚、妊娠となった。

そしてその間はほぼ遠距離恋愛。

2人とも旅行が好きで、行きたい場所は被っているところも多かった。

子どもができたらしばらくは旅行はお預けになりそうだ。

私は妻のことをもっとよく知りたい。

そのためには、2人の時間がもう少しだけ欲しかったな、とほんの少しだけ思うのだ。

子どもができたことになんの不満もないし、そもそも2人が望んだ事だし、とにかく嬉しいのだけれど、妻の新しい側面を知りながらお腹が膨らんでいくのでなかなかに刺激的な毎日なのである(それもまた楽しいのだけれど)。



色々な思いはあるが、子どもができたことはとにかく嬉しくて幸せなのだ。


前の記事にも書いたが、やってみないとわからない。

周到に準備してもうまくいかないこともあれば、全く予想していなかった事態が起きたのに難なく解決することもある。

ましてや、育児は人間が相手なのだ。体調、機嫌、気分だってあるだろう。ひと筋縄でいくわけがない。

だったら、私にできることは、起きたことを全力で受け止める事だ。


子どもと一緒に悩んで、困って、乗り越えていければ良い(妻は怒るかもしれないが)。

どーんと構えていよう。

きっとうまく行く。

このあまりにも楽観的な考えに、妻は呆れ、怒るかもしれない。

ただ、夫婦2人で心配していてもどうしようもない。

心配だし、愛おしいし、でもやっぱり心配。

ただ、男として妊娠、出産もできなければ授乳もできない(母乳が出ないという意味)。

であれば、父として僕にできることは、とにかく全てを受け入れ、そっと見守り、それとなく導くことなのではないか。


きっと妻は「父は何もしない」と思うかもしれないけど、父は父で実はヤキモキしながら、そっと家族を支えていきたい。

もちろん医療の手が必要なタイミングでは全力で前に出るけれど。


最近やっと、覚悟が固まってきた気がする。






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