こんにちは!

テストも終わりやっと一息ついた今日この頃です。

 

 

今日はこの激動の下半期を振り返って、医学生の登竜門、解剖学実習についてを書いてみることにしました。

 

 

医学生は解剖実習をすることはたくさんの人がご存知かと思います。でも、よくこんなことを聞かれます。

 

「先生が解剖しているのを見て勉強するの?」

 

違います!!

 

医学科の学生はどの大学でも、4〜5人で1つの班を作り、その班で一体のご遺体を解剖していきます。

 

 

つまり、4〜5人で一体のご遺体を解剖していくわけです。

この実習で向き合うご遺体は、生前に「献体」の意思を表示された方々のご遺体です。私たち医学生は、この志に応えるべく、人体の全ての骨、臓器、筋肉、血管、神経を半年かけて解剖し、学んでゆきます。

 

 

この解剖実習は、医師として必要な「体の地図」を手に入れるとても大切な時間ですし、なによりも「命」についてを深く考え、学ぶ時間です。

この実習をしっかりとやり遂げることで、医学者としてのスタートラインに立つ資格が得られるのかな?とも思います。

 

 

人の死が前提として成り立つ実習であり、体にメスを入れるということで残酷に捉えられがちですが、医学生はこの先何年もの間、人を診て治すために、懸命に解剖実習に向き合います。

 

 

なにより私が嬉しかったことは、誤解を恐れずに言うのなら、初めから解剖大好きな人がいなかったことです。

私たちは解剖実習の前に大きな講堂に集められ、そこで解剖実習の意義などの話をもう一度聞いてから、解剖室へと移動しました。

日頃は楽しい話ばかりする友人も、日頃は穏やかにニコニコしている友人も、この時は顔がこわばっていました。

 

 

普段着から解剖着へと着替えるロッカールームも終始静かで、普段の授業前の喧騒が嘘のようでした。

そしてたまに聞こえるのは、覚悟を決めかねるようなため息と「怖いわ。」と吐き出す声でした。実際に私も恐怖感があり、解剖をやり遂げられるのか、とても不安でした。

 

 

医学生はみんな、普通の人間です。人の体にメスを入れるということは大変怖いことで、相当な覚悟がいる。誰しもがそういった現実に向き合い、戦っていたのだと思います。

 

 

このように「怖い」と思うことは一見して情けのないことのように思うかもしれませんが、私は今になって、みんな、命の尊厳を十二分に理解している優しい人たちなのだと思います。

 

 

解剖学実習は医学生が初めてメスを握る時間であり、医学生が初めて明確に医師になる自覚を得る時間でもあります。

 

 

誰一人、解剖実習を投げ出すことなくやり遂げられたこと、なによりこの仲間と医学を学べていることを幸せに思います。

 

 

この経験や感じたこと、学んだことを忘れることなく、新学期も頑張っていきます!

 

 

↑私たちが解剖実習で使用していたテキストです。

 

 

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