なんとなく今ここにいます
なんとか今ここにいます
またここにいます
私は自他ともに認める方向音痴で
行った事がある場所でも
平気で迷います
彼とのドライブで助手席に座り
大きな地図を開いてナビをする
そんな幸福な役割を演じてみても大抵は
今曲がる所だったんじゃない?と聞かれ
なんで見てないの?と問われ
一瞬でカーナビに役割を横取りされ
正確なナビゲーションシステムに嫉妬する私です
迷わないのはおうちに帰る道だけだと
言ってしまってもいいような
むしろ私の場合
前もって言うべきだと最近は思います
堂々巡りなんてものは
見ている分にはもしかしたら
面白いのかも知れませんが
巡っている本人にとっては
出口の無い迷路のようなもので
大変な事態です
分からないから考える
その作業を繰り返していると
いつの間にかまた
元の場所にいる事に気付き
考えるから分からないと
例えばそんな風に思ったとして
それでも考えなければ考えないで
気付くとまた同じ事を
いつの間にか考えている訳です
そして最近では
堂々巡りに嫌気が差し
だけど抜け出せずに
どうすればいいのかと
思いあぐねていた所です
私が住んでいるこの場所では
雪の予報が出たとしても
またどうせ雨かみぞれだろうと
結構な確率で思います
なので今日外に出た時
紙を千切ったような雪が暗闇から次々と
絶えず生まれては落ちてくる光景に
少しだけ見入ってしまいました
そして煩悩を引き連れて
ゆっくり歩いていたら
いつの間にか
理由はよく分からないんですが
もの凄く嬉しくなってしまって
心の底から楽しくなってしまって
早足になっている私がいました
いつもそうです
ぐるぐると迷っていても
歩いているうちに徐々に
出口が見えてきてなんとかなるんです
歩いているうちに何かが
溶けていくような感じです
堂々巡りの最中は必死でも
一歩外に出てしまえば
意外と簡単な場所で迷っている
自分が可笑しく思え
そしてしばらくすればまた懲りもせず
似たような場所に迷い込んだりして
やっぱり方向音痴だと自覚します
戻りたい場所
戻れない場所
戻りたくはない場所
辿り着いた場所
辿り着けない場所
色々ありますが
小さな事に囚われていると
足元をすくわれます
今日は雪なので一層の注意が必要です
目を瞑っていても辿り着ける
唯一の場所に今日も帰ります
またここに来ます