未だに無知な私は
おじの介助で月に数回母の実家に行けるのが
密かな楽しみだった


高齢のおじの加齢具合に月日の流れを感じつつ
日当たりのいい庭や
目の前に広がる田園風景


愚痴が多い母の解除より全然マシだったからである
おじは自分にも他人にも厳しいタイプ
掃除洗濯が日課で、来客用スペースは整っている




事の発端は



毎日モーニングコール
一日おきにおじ(兄)を入浴させ
(午後三時ぐらいが最適らしい)
10日ごとに薬の仕分け


車で一時間程度離れている距離を
結構な頻度で行き来していたのである
80近いおばにはなかなかの負担だったと思う


今思えば、
頼りすぎていたし
寿命を縮めたのはお任せしてしまった周囲の責任でもある
電池が切れる直前までフル稼働させてしまった





当たり前だが
おばレベルでの介助は誰も出来ない
いとこ総動員と近所の親戚でどうにかといったところである

おばがいなくなって
おじの生活レベルは目に見えて下がった訳でもないが
満足度はかなり落ちている気がする






幻覚が見えるという

最初は、
亡くなったおばと親が挨拶に来た、という程度で
へえ見えるんだ、まあいいんじゃないのと思っていた

今度来たら私の所にも顔見せてって言っといてね
などと、明るく伝えて
否定も煽りもしないように対応していた





ここ最近
人が見えるとか
監視されてると言い始めたのである



因みに、
日付感覚もあり
計算も出来る
食べた物を覚えているし
車に乗せればナビもしてくれる
(道が分からないということはない)


アルツハイマーではない(気がする)
統合失調症なのか?
幻聴は無いようだ
(耳はそれほど遠くないし会話が成立する)





どうやら
レビー小体型認知症
というものらしい



認知症というと、
心神喪失した姿しか思い浮かばないが
幻覚タイプもあることを初めて知った




お祓いとかそういうレベルではない
医療行為でしか改善(現状維持)できない



中高年のダイエットが
現状維持であるのと同様に



高齢者の介護治療は
進行を遅らせることでしかない

緩やかに終わりに向かうのを止めることは出来ないのだから





幻覚の頻度が上がり
筋肉が弛緩し
寝る時間が増える


寿命は発症から十年程度らしい


内臓疾患は無いだけに脳にきたか、といったところである









さて、これを母に言うべきか否か…






定期的におじの介助?に行っている
薬の仕分けが主だが、買い物などの出歩きに付き添う事が多い



明日、いとこたちと介護認定の立ち会いをすることになった

地区の民生委員が近所に住んでいる親戚のお嫁さんで
(田舎あるある)
とうとう手を貸してくれたのである

私やいとこだけだったら
相続問題が先で介護認定は後回し



もしかしたら、
薬の仕分けから解放されそうである
さすがに第三者が入ると展開が早い


ただ、介護認定を受けるためにも
物忘れ外来への紹介状を頂き
検査してハッキリさせるというミッションが発生してしまった


認知機能云々というか
昭和男子特有の
頑固で怒りっぽい性格は
思うように動けないと加速する



イヤイヤ期のシニア版
2歳児なら有無を言わさず親の力でねじ伏せられたが
80代はムリだ


義父、実父と見送ってきたワケだが
おじの理屈っぽさを受け流すには
私が子供っぽく振る舞うのが
なかなか有効だと気付いた


昔に戻らせるのである

お宅にお邪魔する時は「ただいま~」と言い
「お母さん(おじからすれば妹)がね~こんなこと私に言うの~」と愚痴を言う
大概、妹ではなく姪の味方になってくれる
というか、一緒に悪口を言う楽しみ(!)を味わって貰う



シニア特有のこだわりの強さだが
昔食べたような美味しい干物を魚屋で買いたい、とか
県内産コシヒカリじゃないと嫌だ、とか
服薬があるので決まった時間に食事を取りたい、とか
どこに置いたかわからなくなるので勝手に触らないでくれ
などである

まあ、分からなくもない範囲内だ



最近、短期記憶があやふやで
何度も確認を繰り返したり
すぐ物を失くしかけたりするが
本気の認知症だとこのレベルではないだろう





確か、聞いた話では
短期記憶があやふやだと高齢者の免許更新が難しいようである
一旦覚えた数列やらを数分後に書き出す、などの試験らしい
(若くてもムリな人間は一定数いるのでは…?)






そんかおじなのだが
ご飯はな、硬めの方が旨いんだ
柔らかい飯なんざ食ってられるか!
と強く主張していた


完全に、歯が強い人、(戦時中でも)お米に困ったことが無い人の意見である…


万年ダイエット、かさ増し節約目的で水を増やして炊いていた我が家には
斬新なメッセージすぎて眩しいのであった











先日、カルトンに小銭とは言わずお札まで投げつけ入れられた

若い頃はそんな事をされたら即腹を立てていたが

ある日突然、それは哀れみに変わった









コレをやっている側の心理としては


★投げた物を拾わせる爽快感
★自分に頭を下げさせたい
★薄汚く感じ直接触りたくない
★対応者と距離を取りたい


等々あると思う
(他にもあったら教えて欲しい)









悪意を向けられるのに私が慣れ過ぎたせいなのか
一周回って
投げられてしまったお金が
可哀想に思えてきてしまったのである







痛かったね、こっちへおいで
という気持ちで向きを整えて数え
○○円お預かり致します
と淡々と伝えた







もう
テメエあなたのところに
お金の流れは
未来永劫
やって来ません








という、謎の念を飛ばしつつ(笑)






デパートのお姉さまのように
「○○円お預かり致しましたので、○○円のお返しでございます。どうぞお確かめ下さいませ。」
と、丁寧に金銭授受をした




ここまで丁重に扱われて
己を恥じぬようなら
所詮それまでの人間




余談だが、
両替時に綺麗なお札や小銭を仕分けておき
釣銭に使うようにしている
せめてものマナーだろう
同じ額面ならピン札を一番上にして渡された方が気持ち良い


自動レジだと有無を言わさず釣銭が出てくる訳で
それらがピン札かどうかは最早運次第


今回の場合、対面応対で人為的なものが加わるのだから
ある程度整えるのが筋というもの







いずれにせよ
金銭の扱い及び立ち居振舞いには気を付けた方が良い
育ちが滲み出る



私がお金なら
ぞんざいな扱いをするコイツのところには
近寄らない




客の態度の悪さに対してフォーカスするのではなく
酷い扱いをされているお金を可哀想と思うことによって
怒りを回避出来たことを称えたい




考え方次第で接客時の苦痛を軽減できる
大人の処世術…








後はさ、
ずっと携帯で離し続けてる奴ね
お金は投げて出すわ
品物と釣銭用意しても奪うように持っていくわで
どうにかしてやり込めてやろうと思ってさ
(懲りてないwww )


昔のスーパーのレジみたいに
目の前でお札を指で数え上げて



それでは改めさせて頂きます~
大きい方が~
1 2 3 4 5万円と~
飛んで500円
お預かり致しますぅ~

って、コッテコテな金銭授受を演じてやったわ

一見、丁寧な応対にしか見えないから
此方に落ち度はないように見える






因みに、
お札の事を指す「大きい方が」ってフレーズは
あまり品がよろしくないので良い子は使ってはいけません




喧嘩っ早い性分は
なかなか
直らないんですよ



お褒めとクレームの隙間ギリギリを行くスリル