いつもと同じ空間で、いつもと同じ人達と、いつもと同じ空気感の中で日々を消費していく。
特段目新しいものはない、潤いはない、もっといえば乾ききっている
そんな環境だからか
声にならない声が身体中を震わせている、刺激への渇望は心の中にひとつ、またひとつと砂漠を作る
それは孤独なのか、それともオアシス、快楽への道標なのかはわからない。
でもここにある砂漠の意味を紐解いていかなければならない、砂漠化は環境問題だけでも手に負えないのだから。

青年は家を出て、いつもの通学路を歩く
つい最近、舗装された歩道にはタバコの吸殻やら鳥のフンが落ちている、流通量の多い道路にはその流通量ゆえ、排気ガスで空気は汚れている
道路に沿って等間隔に並べられている植え込みにはプラタナスが一本、また一本と毅然と立っている、木の下にある花壇にはチューリップが赤黄色ピンクと趣向が凝らされている
今日もそんな混沌のなかで歩みを進める青年

ふとあくびをして目を開けた時に青年の前で女子高生とも大学生とも取れるような女の子がいきなり転倒した、これが邂逅だったようだ
物語とはいつも現実ではありえないような、不思議な形で始まる、少なくとも私はそう思っている