子供の頃は友達を招いて家で誕生会をした
母の手作りの料理やお菓子
ケーキは近所から買って来て、結構賑やかにやっていた

両親には欲しいものを言い、なんでも買ってもらっていた
きっと、わがままで贅沢な子供

田舎では売っていない物は、東京の伯母に頼んで送ってもらった
テレビに出ているアイドルが着てるエプロンドレスやお姫様みたいな真っ白のレースがたくさんのドレス…
箱を開けるだけで嬉しくて、何度も何度も開けたり閉まったり
クリスマスに白のドレスでディナーショーへ行き、地元のアナウンサーからインタビューも受けた

そんな幼少期
きっと一番幸せだったのかもしれない

二年前の誕生日
母の病気が発覚し、治療を始めたばかりで、母が『今年はちゃんとお祝い出来なくてごめんね、来年はお祝いするからね』と言った
それから九ヶ月後、私の誕生日を待たずに母は亡くなった
毎年私にプレゼントは何がいいか聞いてくれた母
バースデーカードも欠かさず送ってくれた

母がいなくなった昨年の誕生日
父は私の誕生日もあまり覚えていない
プレゼントも聞かれなかった
それは仕方ないと思っている
おめでとうくらいは欲しかったけど

母はきっと、一人で寂しくしている私に彼を引き合わせてくれたんだと思う
去年の誕生日、彼は連日忙しい中プレゼントも送ってくれた
日付が変わって最初におめでとうを言ってくれた
私は寂しくなかった

母も彼もいない今年
今年は区切りの年だから、本当に全てゼロから始まる感じがする
一人で産まれて来たのだから、今年は一人で過ごした方がいいのだろう

これからは、なんでも一人で出来るようになろう
一人でも寂しいと思わないようにしよう
幸せだったことを感謝して、穏やかに過ごそう
そして、いつも笑っていよう

母が、私の笑顔が大好きだと言っていた
彼が、私はいつも優しく笑ってたと言っていた

そんな、私をまた取り戻しに行こう
来週の誕生日
怖くもあり、楽しみでもある


夜にウォーキングをしていると、ほろ酔い加減のカップルがふらふらと歩いている

先日のカップルは、男の方が酔っていて、女にまとわりつき、肩を抱き、顔を近づけ、腰に手を回し…
私の前でイチャイチャしていた
道幅が狭く抜かせなかったので、仕方なくゆっくりと距離が縮まらないように後ろを歩いていたが、どうやら二人とも私の存在には気づいているようだった
男が時々女のお尻を触る
その度に私の方を向き、見られてる事が快感なのか、チラッと見ては手を離す
見たくもないその光景を見せられているこっちはムカつく
部屋に帰ってゆっくりやってくれ~

少し先の横断歩道でカップルは右折
私は直進
右折した側を振り返って見たら、大勢の歩行者が前から来ていた
あらら、尚更イチャイチャ出来なくなっちゃってるよ

電車でも二人の世界のバカップルは、ドアの前で抱き合ったりキスしたり…
昔はそんな公衆の面前でバカじゃないの~なんて腹立たしく思っていた
その事を友達に話したら、まぁ自分も経験あるからな~と言ってた
そうなのか?みんなそうなのか?
私はいくら好きな人とでもそんなことは絶対にあんな場所てはやらない!って思っていた

でも、でも、
今ならわかる
やらないにしても気持ちはわかる
二人の世界
誰からなんと思われてもまとわりついて離れたくない気持ち
片時も離れたくない
顔を見ていたい

それが恋

バカップル、バンザイ!
決して、ワールドカップの話ではない

男は涙を見せないもの
なんてのは、いつの頃の話なのか
とかく、男は痛い事や流血にめっぽう弱い
ちょっと指先を切っただけでも大騒ぎ

確かに根性も努力も体力も男には備わっていて、細い人でさえ、女よりはずっと重いものを持てたりする

でも、男は泣く
よく泣く

そこに母性本能はやられたりもする

泣く男は女々しい…とばかりも言えない
男泣き
子供のように無防備な泣き
いつまで経っても男は少年のまま年を取るのだろう

泣いてる男も嫌いじゃない