岸田政権の最近の支持率は23%らしい。控えめに言って低いし、少し前は17%まで落ちていた。誰がどう見ても不人気政権で、よくこれで辞任しないなと思う。

 

んで、そんな岸田政権を俺がどう思っているかというと支持している。俺が生まれて初めて積極的に支持している政権だし、嫌いな自民党に票を投じるレベルで熱烈に支持している。

 

岸田政権だが、安全保障・軍事マニア(国際関係にもある程度関心がある層)からの評価がすこぶる高い。ウクライナ侵攻を機に「防衛力の抜本的強化」に乗り出し、今後5年で防衛予算を倍増させ、仮想敵国の能力に注目するというこれまでにない方針を打ち出し、その代表的な取り組みとしてスタンドオフ攻撃能力の本格的な整備に乗り出した。大改革でもあるが一方で「夏休みの宿題を2学期が始まるギリギリだが手遅れになる前に手を付けた」とも比喩されている。これらの改革は専門家たちがこれまで訴えてきたことらしい(俺は知らなかった)。これを「ウクライナ侵攻を口実とした軍拡」だと非難する者もいるが、隣接する仮想敵国である中朝露が、日本が大人しくしていた30年間も軍拡を止めず、しかもその内の一国は侵略戦争を始めという現実を見せつけられてよくそんな事が言えるなと思う。それにウクライナ侵攻を待つまでもなく、21世紀になっても「弱い国や民族は殺される」という事は何度も生じた。生き残るためには強くなるしかないというのが俺の結論だ。だから日本を軍事力の面で強くしようとする岸田首相を俺は支持している。外交も良くやっていると思う。民主国家間、先進国間の結束を維持しようと努力していたし、その努力は無駄になっていないと思う。先日の訪米時のスピーチなど日本政府がアメリカ人の感情を動かすスピーチが出来るのだなと驚いたものである。外交安保でダイナミックに動き、失点らしい失点の無い岸田政権がこの分野の専門家やマニアたちから支持されるのは当然だし、そんな彼らの受け売りだが俺が岸田政権を支持するのも当然の流れである。

 

しかし国民からは人気が無い。これは上記の点を高く評価している層から不思議に思う声も聞かれるが、理由はどう考えても円安とインフレである。その上最近のいわゆる裏金問題でさらに嫌われてしまったが、やはり根本的な原因はインフレとそれによる家計への悪影響だろう。この手のスキャンダルとそれに対する報道の過熱は安倍政権時代の方が強烈だったと思う。だが安倍政権はここまで支持率は落ちなかった。その頃は実質賃金がわずかではあるが上昇しており日本の雰囲気もどことなく良かった。失われた○十年と言われた経済の長期停滞期にあって、国の雰囲気が良くなっていた中、あの程度のスキャンダルで政権を倒せるわけがないのだ(しかもあれだけ騒いで批判した層から結局政権を倒す決定的な証拠を出せなかったのだ)。しかし一方で岸田政権になってから実質所得は下がり続けている。岸田首相が悪いかと言われれば微妙だが(悪いのはFRBと日銀だろうと思う)、政府としても有効な対策をとれていないのは事実である。そしてついにドル円は155円近くまで円安が進んでしまった。岸田政権になってから40円も円安が進んだ。さらに物価が上がり実質賃金が下がるだろう。ここまで来て何もしない日銀が何を考えているのか、それとも何も考えていないのかは不明だが(日銀は物価の安定という職務を放棄しているのではと思う)、根本的な原因が政府にあろうが日銀にあろうがFRBにあろうがデカップリングを進める米政府にあろうが関係は無い。国民は断じて馬鹿では無い。なぜ自分たちの生活が良くならないのに政府を支持してやる必要があるのか。あるわけないだろ。ただそれだけの話でしかないのだ。まあ俺はそれでも岸田首相の為に自民党に票を投じるがな。