インフルエンザが治った弟が、学校に通い始め

、姉と話すために昼休みに6年生の教室へ


卒業式まで三日


ラストチャンス


6年生の教室に行くと


弟が来ているのに気づいていない娘に


例の、意地悪男子生徒が、なぜか


「弟が来とるよ」と教えてくれたそうです


娘と弟は教室を出て階段の所まで行き


弟が

 「やま」


 「…」


 「やま」


 「…」


 「やま」


 「…」


何度も合言葉を言ったのですが、娘は「かわ」と、答えることはできませんでした



娘も話す気になっていたし、相手が弟なので、話すことが出来るかもと思っていたのですが無理でした



娘本人が、一番悔しかったようで、家ではイライラしていました



お膳立てしたシチュエーションではなく、もっと、さりげなく自然な感じを考えれば良かった


よけいに自信を失くすことになってしまいました



夜、息子と風呂に入っていると


「お姉ちゃん話すの無理。なんで話しできんのやろ?」と、聞いてきました


「怖い人の前だと話しできんなったり、身体が動かなくなるやろ、お姉ちゃんは学校に行くと身体が勝手に、そんな感じなってしまうんよ。病気や困った時に『助けて』って言えんのは辛いやろ、もし、機会があったら話しかけてな」


私自身、娘のことも、どうしたら良いのか解りませんが、そう答えました