『モルグ街の殺人事件』
|出版社:青空文庫(新潮社)
|発売年:1841年
|ページ数:100ページ未満
○ジャンル
推理/ミステリー
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◯謎ランク
|★★★★★★★★★☆
|不可能性の高い密室と人間業とは
|思えない残虐性と殺人方法のため、
|謎度はとても高い
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◯物語の楽しさ
|★★★★★☆☆☆☆☆
|中編程度の尺なので、物語としては
|そこそこ。あくまでも探偵小説。
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◯キャラクターの魅力
|★★★★★★☆☆☆☆
|ホームズとワトソンに先立つ
|探偵とその助手の起源
|
◯リーダビリティ
|★★★★★☆☆☆☆☆
|訳自体も古いもののため、現代では
|見かけないような表現あり
|※新潮社が底本の青空文庫版の評価
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◯得られる知識量
|★★★★★★★★☆☆
|冒頭の蘊蓄が良い
|
◯子どもへの安全性
|★★★★★★☆☆☆☆
|エロ描写:無し
|グロ描写:犯行が残虐
|
◯おすすめ度
|★★★★★★★★★★
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◇感想
推理小説、というよりミステリー小説というものは、謎がいかに魅力的であるかがすべてだと考えている。
本作は推理小説の起源でありながら、最高峰の謎を提供してくれている。
人間業とは思えない残虐かつハイパーマッチョな殺人と極めて高い密室性。
成人男性4~5人で引っ張り出さなければならないほど思いっきり暖炉にぶち込まれていたり、髪の毛を頭皮ごと引きちぎったり、剃刀一振で首を両断したりとただでさえ不可能性が高いにも関わらず、そこにダメ押しとばかりに西洋の家ならではの完全に近い密室が合わさる。
まさにミステリーの醍醐味である。
推理小説というのは最初にやったもの勝ちな世界だと思うが、最初からこんなブッ飛んだ大技が炸裂しているんだから、後続者の苦悩がうかがえる。
しかし一番ビックリなのは『モルグ街の殺人事件』が発表されたのが、江戸時代だということだろう。
すごいなぁ。