『怪人二十面相』江戸川乱歩

|出版社:ポプラ社など

|発売年:1936年

|ページ数:275頁(文庫版)


○ジャンル

推理/ミステリー/児童書

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◯謎ランク

★★★★★★★☆☆☆

|子ども向けとは思えない高品質

◯物語の楽しさ

★★★★★★★

|カッコ良さマシマシのコナン君

◯キャラクターの魅力

★★★★★★★

|怪人二十面相や明智小五郎と小林少年

|という名キャラがいるので◎

◯リーダビリティ

★★★★★★★

|古い本だが、児童向けであることと

|乱歩作品は文体が読みやすさ、ちょうど

|良いページ数と読みやすさは満点

◯得られる知識量

★★★★★★★☆☆

|子どもの時にこの本を読んでいれば

|物事の考え方が変わりそう

◯子どもへの安全性

★★★★★★★

|エロ描写:なし

|グロ描写:なし

◯おすすめ度

★★★★★★★

○おすすめポイント

・大人が読んでも楽しめる

・最高に読みやすい

・まさにコナン君の元ネタ

・しっかり考えれば分かるレベルの問題

◯総合ランク:

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感想

誰もが名前を知っているであろう名作シリーズの1作目で、児童向けのため非常に読みやすいく、内容も安全なものになっている。

トリックも分かりやすいものが多いが、大人でも唸るようなトリックもある。

血を嫌い、事前に犯行予告をする大怪盗こと怪人二十面相、コナン君のような大活躍をする小林少年(こちらが元ネタだろう)、そして名探偵明智小五郎。

このような名キャラが達が知恵を絞って駆け引きする様は本当に面白い。

怪人二十面相が犯行予告をして行う窃盗事件は4件あり、1~3件目まではおそらく子供でも見破れる可能性が高い。
かといってトリックがチープかというとそんなことはない。

そして最後の犯行は明智小五郎と二十面相の駆け引きもとても面白いが、時間指定で犯行予告をしたうえで、美術館の品物をすべて盗むという大規模な窃盗をどうやって実行するのかがものすごく気になった。


作家のプロフィールをWikipediaでよく調べるのだが、けっこうな確率で小学生の時に江戸川乱歩を読んでいたとある。

おそらく子どもに読書の楽しさを教えるのに、本作ほど適したものはないのではないかと思う。



ちなみに新潮社のものも購入してみた。
解説は辻村深月さんで『凍りのくじら』の某エピソードが少年探偵団シリーズのことだと打ち明けられている。

装丁も美しく素晴らしいのだが、何巻まで出るのかが謎。