『占星術殺人事件』島田荘司

|出版社:講談社

|発売年:1981年

|ページ数:529頁(文庫版)


○ジャンル

推理/ミステリー

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◯謎ランク

★★★★★★★

|伝説のミステリー

◯物語の楽しさ

★★★★★★★

|アゾートという究極のオカルトや

|御手洗&石岡君が最高

◯キャラクターの魅力

★★★★★★★

|なんと言ってもこの2人

◯リーダビリティ

★★★★★★★☆☆☆

|序盤のみ読みにくい

◯得られる知識量

★★★★★★★

|最強のトリック

◯子どもへの安全性

★★★☆☆☆☆☆☆☆

|エロ描写:有り

|グロ描写:有り

◯おすすめ度

★★★★★★★

○おすすめポイント

・人智を超えた伝説のトリック

・キャラも心理描写も完璧

・迷宮入りした四十年前の怪異不可能犯罪

・六体の処女の肉体のパーツを使って

|女神アゾートを召喚ッ!!

・邪馬台国やレイラインなどのオカルト有り

◯総合ランク:SS

 

 

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感想

33歳まで読まなかったことを心底後悔しまくっている.....そんな素晴らしい1冊だった。

たぶんこの本を若い頃に読んでいたら推理小説マニアになっていたと思う。

(というより占い師か探偵になっていたはず)


本書を読まれた方で、私と同じ世代の方は某人気推理漫画『○田○○年の○○簿』によって本作の核となるメイントリックをネタバレされてしまっているかもしれない。


かく言う私もネタバレを喰らってしまい本書を読むのを躊躇していたのだが、それは大きな過ちだった。

メイントリックを知ってなお、これまで読んだ推理小説の中で一番だったと言える内容だったからだ。



私は推理小説をあまり推理しないで読んでしまうため、事件が怪異のような異様なものでなければ読む気がしない。


本作は間違いなく宇宙人や超能力者が犯人としか思えない超絶事件なので、好奇心が刺激されまくり、もうとにかく謎が気になり過ぎて一気読みしてしまった。




『占星術殺人事件』は3つの事件から構成されていて、一番凄まじい第三の事件(アゾート殺人)の核となるトリックが上記の通りネタバレされてしまっている。


そのネタバレにより、必然的に早い段階で犯人が特定できてしまうのだが、実はその思い込みにより第一の事件と第二の事件がますます訳が分からなくなるという仕組みになっているのだ。


犯人はコイツだな (ニヤリ)


となっていたら第二の事件で"精液"が出てきたことによってこんな風になってしまった。↓


メイントリックを知ってなお、謎が謎を呼びまくり読む手が止まらなくなってしまうのは、まさしく著者の才能だと思う。



狂気に溢れた犯人の手記から始まり、御手洗と石岡の二人で謎に挑みつつ、京都旅行....。

実に素晴らしい。


ラストの美しさにも魅了され、完全に島田荘司御大のファンにさせられた。


古い作品だからと躊躇される方よ、これ以上の推理小説は存在しないのでただちに読むべきである。


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