『世紀末の詩』 第二話 パンドラの箱

 

脚本

野島伸司

 

プロデューサー

梅原幹

 

主題歌 - ジョン・レノン 「LOVE

 

挿入歌 - ジョン・レノン 「STAND BY ME

 

音楽 - 千住明

 

出演者

竹野内豊

坂井真紀

木村佳乃

吉川ひなの

松本恵

山崎努

遠山景織子

斎藤洋介

袴田吉彦

 

あらすじ

野亜亘(竹野内豊)は副業である移動アイス売りから帰る車中、危うく人を跳ねそうになる。

 

 亘が車から飛び出ると、視力障碍を持つ美しい女性がいた。名前は仁科 鏡子(遠山景織子)。容姿以上に心も美しかった。

 

彼女に冴えない風貌の恋人がいた。名前は興梠(斎藤洋介)。彼は花火のセールスマンをしていた。そして、休日にピエロの恰好をして、子供たちを喜ばせていた。彼には夢がある。自分が作った花火を鏡子に見てもらいたいという夢が。

 

 

 彼は夢を叶えるために、泉医師(袴田吉彦)元へ。泉医師はハンサムだった。鏡子の手術は無事に終え、彼女の視力は回復するのだった。

 

感想

鏡で自分を見たことがない鏡子。彼女は自身の容姿がいくら美形と言われてもピンとこなかった。

 

その鏡子に恋をした興梠。興梠は鏡子に愛情と人生を捧げる。結婚を申し込み興梠。そして、手術の日。鏡子は見えるようになり、最初に見たいものはと聞かれ、自分の顔、と言った。興梠ではなかった。

 

手術の成功後、鏡子は醜い風貌の興梠との結婚の約束を破り、主治医の泉と交際を始めてしまう。見えること。それは余計なものまで認識してしまうこと。自身の美しさに気づいた鏡子の欲、それは女の欲が開花してしまった。見えなければ鏡子と興梠は結婚していただろう。しかし、興梠は鏡子を責めなかった。彼女が幸せになればいい。彼はそう言った。

 

 

 興梠は彼女を思い、ピエロの恰好でパントマイムをする。

 

 

 愛は不必要な情報で安易に変容する。

 

 

 エンドロール。ジョンレノンの『Love』が流れながら、鏡子の視力が回復する前、幸せだった二人のシーンがモノクロで映される。