『世紀末の詩』 第一話 この世の果てで愛を唄う少女

 

脚本

野島伸司

 

プロデューサー

梅原幹

 

主題歌 - ジョン・レノン 「LOVE

 

挿入歌 - ジョン・レノン 「STAND BY ME

 

音楽 - 千住明

 

出演者

竹野内豊

坂井真紀

木村佳乃

吉川ひなの

松本恵

山崎努

 

あらすじ

学長選挙に破れ、死を決意し、雑居ビルの屋上に佇む百瀬(山崎努)。

 

結婚式当日、見知らぬ男に花嫁をさらわれた野亜亘(竹野内豊)。彼も向かいのビルから飛び降りようとしていた。

 

 二人は眼を合わせる。その時、子猫のような娘ミア(坂井真紀)に現場を見られ、彼女の笑い声を聞いたとたん、二人は死ぬのが馬鹿らしくなった。そして、三人は奇妙な共同生活を始めるのだった。

 

学校の教諭、羽柴里見(木村佳乃)は子供達が下校時に三人が住み家に集まっていることを知り、子供達を尾行、百瀬達と出会うのだった。

 

 そんな中、亘は橋の欄干で一人寂しそうに佇む小川すみれ(広末涼子)にであう。彼女はとある人を待っているのだった。

 

感想

 僕はテレビドラマを基本的にはみない。気晴らしで見る時はあるけど。

 

 わかりやすい表現だったり、大げさな演技だったり、お金がかかっていなかったり、だらだらと長かったり……。それなら映画を見る。でも、例外がある。

 

 『池袋ウエストゲートパーク』『トリック』『私立探偵濱マイク』そして、『世紀末の詩』。この四つは何度でも見たいドラマだ。

 

 その中で特におすすめなのが、『世紀末の詩』である。野島伸司の脚本であるのに、なぜかDVD化されていない。そのため、見るにはVHSで見るか、YouTubeでこっそり見るかしかない。おそらく過激な内容が今のご時世にマッチしないのだろう。

 

 死を決意した百瀬と亘。しかし、思いとどまる。

 

 亘は恋について考える。

 

 美しい美里先生。神秘的なすみれ。違う魅力。そして、すみれに魅入られる亘。すみれに会うたびに亘の容姿が変化し、やつれていく。彼女は橋で起きた事故で死んだ幽霊であり、死に別れた昔の恋人を待ち続けていた。そして、亘をあの世に引きずり込もうしていた。

 

 

 すみれを忘れようとする昔の恋人は橋に行こうとしない。説得する百瀬と亘。しかし、門前払いされる。さらにやつれる亘。すみれに恋をした亘はすみれを責めようとしない。一緒にあの世に行くと言い出す。

 

「あなたを殺せない……。ごめんなさい」

 

 すみれは亘を残して消えていく。

 

 

 

 そして、ジョン・レノンの『Love』が流れる。

 

 DVD化されたら真っ先に買う数少ないテレビドラマだ。