『とかげ』
著者
吉本ばなな
感想
2003年、NHKでよしもとばななの傑作『とかげ』の朗読を見た。女優のりょうが一人で語っていた。とても衝撃を受けて、すぐさま本屋に行った。
自閉症児専門の病院でカウンセラーとして働く29歳の“わたし”は不思議な能力を持った“とかげ”と呼んでいる女性と付き合っていた。二人は徐々に惹かれ合い、そして、とかげは自身の暗い過去を語り始めるのだった。
カウンセラーの“わたし”。
エアロビクスインストラクターの“とかげ”
ジムでの偶然の出会い。
人の体の悪い部分が見えるとかげ。
惹かれ合う二人。
とかげの過去。悲劇。
そして、“わたし”も過去を語り始める。
心の傷の深さは他人にはわからない。でも、恋人同士ならわかるかもしれない。だから、恋人同士が近づいて、傷の深さを確認して、傷を舐め合って、傷は癒えたと思って生きていく。そうやってみんな生きていくのだと、本作を読んで思った。

