「食料安全保障」・・・・・
露助のウクライナ侵攻を機に
こんな言葉をよく耳にするようになりました。
2020年度の日本の食料自給率(カロリーベース)は37%
でした。
食べ物の多くを海外からの輸入に頼っています。
世界的な人口爆発や気候変動による農作物の不作など
すでに食糧難を予測する声はありました。
ウクライナ侵攻によって、現実味はさらに
増しています。
4月にはインドネシアがインスタント麺の製造などに
使われるパーム油を
5月にはインドが小麦をそれぞれ輸出禁止にしました。
実際に自国の国民を守るために食料の囲い込みが
起きているのです。
一方、8割以上を輸入に頼る小麦など、日本では
さまざまな食品の値上げが発表されています。
中東の火薬庫もすでに爆発しました。
食べ物は
私たちが生きていくのに欠かせません。
いざというときに手に入らない事態になる心配は
ないのでしょうか。
生活の便利さを少し犠牲にしてでも
自給率を上げるべきなのか?
現代日本で
食料自給率100%を目指した場合の
献立がこちら・・・
みんなはこれ耐えられる?
朝昼は焼きいも?なぜ肉や卵が少ない・・・
タンパク質はどこから....。
そうだ、クジラ。クジラ肉を食うんやw!
日本の食料自給力
食料自給力とは
「我が国農林水産業が有する食料の潜在生産能力」
を表すものです。
食料安全保障に関する国民的な議論を深めていくために
平成27年3月に閣議決定された
「食料・農業・農村基本計画」において
初めて食料自給力の指標化を行いました。
新たな食料・農業・農村基本計画(令和2年3月閣議決定)では
従来の食料自給力指標で考慮していなかった
農業労働力や省力化の農業技術も考慮するよう
指標を改良し、作付けパターンについても
4パターンから2パターンに簡素化を行いました。
また、将来(令和12年度)の食料自給力指標の見通しも
新たにお示ししています。
1.食料自給力指標とは
食料自給力指標とは
我が国農林水産業が有する潜在生産能力をフルに
活用することにより得られる
食料の供給可能熱量を試算した指標です。
生産のパターンは、以下の2パターンとし
各パターンの生産に必要な労働時間に対する
現有労働力の延べ労働時間の充足率(労働充足率)を
反映した供給可能熱量も示しています。
1)栄養バランスを考慮しつつ、米・小麦を中心に
熱量効率を最大化して作付け
イ)栄養バランスを考慮しつつ、いも類を中心に
熱量効率を最大化して作付け
2.令和4年度における食料自給力指標
令和4年度の食料自給力指標は
米・小麦中心の作付けについては、農地面積の減少
魚介類の生産量減少、小麦の単収減少等により
前年度を26kcal/人・日下回る、1,720kcal/人・日と
なりました。
いも類中心の作付けについては
労働力の減少、農地面積の減少、魚介類の生産量減少等
により
前年度を53kcal/人・日下回る、2,368kcal/人・日と
なりました。
この結果、前年度同様に、いも類中心の作付けでは
推定エネルギー必要量(2,168kcal/人・日)を
上回るものの、米・小麦中心の作付けでは下回ります。
令和4年度の食料自給力指標
3.令和12年度における
食料自給力指標の見通し
食料・農業・農村基本計画(令和2年3月閣議決定)に
おいては、将来(令和12年度)に向けた
農地や農業労働力の確保、単収の向上が、それぞれ
1人・1日当たり供給可能熱量の増加にどのように
寄与するかを示しています。
令和12年度の食料自給力指標の見通し
農地の確保(a)や単収の向上(b)が進めば
農地を最大限活用した場合の供給可能熱量は
「農地がすう勢の場合」から押し上げられます。
また、青年層の新規就農者の定着率の向上等により
労働力の確保(c)が進めば、労働充足率を反映した
供給可能熱量は「労働力がすう勢の場合」から
押し上げられます。
さらに、技術革新に伴って労働生産性が向上し
労働充足率が一層向上すれば、供給可能熱量は更に
押し上げられます。(d)
4.食料自給力指標の推移
食料自給力指標は
近年、米・小麦中心の作付けでは小麦等の単収増加に
より横ばい傾向となっている一方、より労働力を
要するいも類中心の作付けでは、労働力(延べ労働時間)
の減少により、減少傾向となっています。
食料自給力の維持向上のため
農地の確保、単収向上に加え、労働力の確保や
省力化等の技術改善が必要です。
食料自給力指標の推移
参考
食料・農業・農村基本計画参考資料
(食料自給力関係抜粋)(PDF : 903KB)