自衛隊が自前で血液製剤・・・
有事に備え製造・備蓄へ…購入頼み改め隊員から採血
防衛省は新年度から
自衛隊員に輸血するための血液製剤の製造・備蓄に
乗り出す。
外部からの購入に頼っている現在の運用を改め
有事に備えて十分な量を確保する狙いがある。
負傷した隊員の治療体制を整えることで
継戦能力の強化につなげたい考えだ。
戦闘での死亡の多くは、失血死とされる。
血液製剤の調達は負傷者の救命に直結するため
米国や英国など海外の軍隊では
自前の製造設備や備蓄施設を保有している例も多い。
自衛隊では現在、訓練中に負傷者が出た場合など
必要に応じて日本赤十字社から血液製剤を購入している。
有事の際に血液製剤が不足する懸念に加え
台湾有事で戦闘に巻き込まれる可能性のある
南西諸島など 島嶼
部では、血液製剤の輸送に
支障が生じる事態も想定される。
治療体制の不備が
戦力の低下や部隊の士気の減退を招くといった
課題も指摘されている。
昨年12月に策定した防衛力整備計画に
血液製剤を自前で調達できる体制の整備を明記。
2023年度予算案には、血液製剤の製造機材や
保管用の専用冷凍庫などの整備費として
約9000万円を計上した。
日赤からの購入も継続し、有事に備えた万全の確保を
目指す。