~  日焼け  ~ 
このお話は全体公開しますね
m(_ _)m







「ただいま〜」





「んー。おかえり。」





「.......」






「...ん?」






「やっぱり 凄い焼けちゃったね...」






「...んー。頑張ったけどね。限界よ、これが。」






「船酔いは? 大丈夫だった?」






「酔い止め効いたよ! あなたがくれたヤツ。あれ、すごいよ。おーのさんも驚いてたもん。」






「よかった。船酔いしちゃうと 苦しいもんね。じゃあ、楽しめた? 」






「ん。あ、ほら。手、洗っておいで。」





ニコニコ顔のカズくんに見送られて、
手を洗いに 洗面所に向かった。






よかった。



カズくんの、久しぶりの一日オフ。




ゆっくり出来たみたい。







ほんのり黒くなったカズくんの肌が 
今日一日の充実を物語っていた。






朝早くから、
大野さんと釣りに出かけたカズくん。




行くまでは あんなに嫌がっていたのに、
今のカズくんは、キラキラした目をしていた。




よっぽど楽しかったんだな…




私も行きたかったな〜









リビングに入ると テーブルにはお刺身や 唐揚げ、煮付けまで、、魚料理が並べられていた。




それも沢山。





「 えっ...こんなに釣れたの? えっ...カズくんが捌いたの? ええっ!! 魚に触ったの〜??」






「クククッ...  あなたね、質問はひとつずつするもんよ? 何から答えりゃいいかわかんなくなっちゃうからね、オレ。」






柔らかな笑みで 私を包む。



カズくんの腰に手を回しながら…




「魚、触った?」



と、聞いてみる。





「釣りに行ったのよ、オレ。」





「....... 触ってないでしょ〜?」





「んーー。正解。なんでバレたかな…...いっこも触ってない。触れらんないよ。あんなヌメヌメした生き物。しかもまだ生きてるから、動くしさ。跳ねるんだよ、暴れて。」





言葉とは裏腹に 楽しそうに話すカズくんが 可愛い。





「...じゃあ、この料理の数々は...」





「大野智プレゼンツ。.....あなたに、って。」





「私に?」





「ん。1回 大野さんち 行ってさ、、綺麗に捌いて 盛り付けて。あの人手際よくてさ、唐揚げやら煮付けも段取りよく作ってくれて。」






「...カズくんは、それを見ながらゲームしてたの?」





「...ん。また正解。」






「...後で大野さんにお礼言わせてね?」





「んー。却下。」





「...どうして?」





「これ釣ったのオレだから。お礼は、オレに言えばいいのよ。」





「...え? .....全部? カズくんが?」





「ん。正確に言うと、オレの釣竿にかかったやつ。引き揚げんのは 大野さんやってくれたから。」





「.....引き揚げるのが、楽しいんじゃないの?」





「引き揚げて、魚がピチピチ上がってきたら、気持ち悪くて離しちゃうもん。」






「.....大野さん、、優しいね。さすがだわ。うん。あ、でもこの魚全部カズくんの竿にかかったの?」





「ん〜 もうさ、あの人の竿おかしいのよ。一匹もかかんないの。隣よ? オレの隣に竿あるのに、魚さん、ぜーんぶ オレんとこ くんのよ。」





興奮気味に話すカズくんと
ビールで乾杯した。






「あ、これこれ、これから食べて。」




カズくんが一番最初に釣ったという魚を食べた。
コリコリしていて 美味しい。




余程楽しかったんだ。


それからも 大野さんとの釣りの話が止まらない。


お酒も手伝って、より饒舌になる。



沢山あった料理も、あっという間になくなってしまった。






「また行けたらいいね。日焼けしたカズくんも新鮮だし。」




日焼けしたカズくんの頬をつまんでみる。
つまんだ手を外され、





「... 妬いてんの?」






急に セクシーな声で... 瞳でみつめてくる。




い、今まで 小学生みたいだったのに〜




このギャップに、いつもヤラれる。







「...妬いてないよ。」





「...ん〜 素直じゃないね。」





「私 大宮好きだもん。 2人がイチャコラしてたら、幸せだもん。」






「ハイハイ。...おーのさんがさ、今度は一緒においでって言ってたよ。」







「...えっ、、私も連れて行ってくれるの?」 







「...行きたいの?」





「行きたい!!」





「それはさ、釣りがしたいの? それとも大野さんに会いたいの?」





「釣りをしてる大野さんが、、、みたい!!
いや.....大宮がみたいの!!」






「...確認だけど。  今、言い直したよね?」





「...えっ...そうかな、、」





「あ〜付け加えたのね。オレを。」 





「いやいや、そんなことないよ。カズくんと一緒に行きたいよ。」






「んー。なんかすげー仕方なく付け加えられた感あるけど。。 じゃあさ、おーのさんにお願いしとくから、、、はい...」





唇を尖らせてくるカズくん。




「...してあげない。」




えっ? って顔して 私をみるから…





「先に大野さんに、お礼のメールしたいから.....連絡先教えて?」






携帯を取り出すと、
カズくんの膨れた顔が 近付いてきて。





「...先よ。こっちが。」





言う間に キスされ



...シタを絡め取られる





ンッ...





カズくんの胸を押して離れようとしても
...離してくれない。





逆に...   求められ



応えてしまう私がいた…