HBD まーくん♡










12月24日  夜     (閉店後)






聖なる夜に...




キィッ...   キィッ...



豆をひく音



漂う 香り




粉が 湯を含み 
最大限まで 膨らんでいく




コポッ...コポッ...







サーバーへ 茶色い液体が 落ちていく音



店内に広がる 奥ゆかしい香り





誰かに淹れてもらうのは、好きじゃない。






でも...




まーくんは、別。




美味いのは もちろんだけど…




それだけじゃない。




茶色い液体とともに




色んなモノ ...入れてるから




こんな顔して...







だから自然とオレも...





頬が  ...緩む  /////







「...ね。聖なる夜に、男2人で コーヒー飲みます? 普通?」




照れ隠しででる 強めの言葉。




まーくんは、んなの全部わかってて...
ただ ...笑う /////





この包容力に もう長いこと包まれ過ぎて
当たり前のように なってるけど…



こんな優しい人に 出会えた人生に感謝してる




今日は一年に一度   
神様に感謝する日




まーくんが この世に生をうけた日だから...








「...いいじゃん。誕生日くらい付き合えよ。」




コーヒーを淹れながら、優しい目をして話し出す。




「いやいや、誕生日に一緒に過ごす恋人いないのかな〜 って...心配で言ってんのよ、オレはね。」 



まーくんは、ニヤッ...って笑って




「... カズが お祝いしたいんじゃないかと思って 他キャンセルしてんだよ。」





「///// ばぁっか! んなわけないじゃん。オレは 忙しいのよ、イブなんだからさ! 」




「...そう? じゃ、飲まないのね?」





まーくんが カップをテーブルに置きながら言う。





「...折角だから、、、いただきますよ、一杯だけね?」






「...どうぞ。。雅紀スペシャル♡オンリーカズ だからね。」






「ん //////////」



緩みっぱなしなのは、わかってる…
仕方ない

この人が 好きなんだから…





店内に流れる 音楽と コーヒーの香りの中




大切な人と




誕生日の夜を 過ごす






「 まーくん ... はっぴーばーすでー /////」







「えっ? 今 なんか言った?」




「///// んーん。言ってない。」





「...そう言えばさ、今年もカズが一番だったよ。」





「ん?」





「 おめでとうのメッセージ。、、ありがとう。あれ、日付け変わるの待ってただろ?」





「////////// た、、たまたまだよ、たまたま。んなわけないじゃん。/////ばっっかじゃないの!」





「んふふふ♡」





「なんだよ、その笑いは!」





「ん〜ん。カズ可愛いなって。」





「///// な! なんだよ、それ!」





「あ、カズ! メリークリスマスイブ♡」




「... いや、、、おたんじょうびおめでとう まーくん.../////」




「えー! 聞こえなーい」




「////////// もう 言わないから!」




「ウソぴょーん!...ありがと カズ♡」





どー考えても...



恋人同士みたいな会話に 
顔から火がでるみたいに熱くなる。





毎年 12月24日の夜は…



まーくんと ふたりきり







まーくんの淹れた 優しい味のコーヒーを飲む





クリスマスイブなんて、どーでもいい。





オレにとって...
12月24日は まーくんの誕生日だから。




一年で一番大切な日





まーくん Happy Birthday





心の中で もう一度そう呟いた














End


2018.12.24