なんだか、、体がふわふわしてる。


たくさん眠った感じがする。



んーー。



伸びをしながら、うっすらと目を開ける。




...えっ?





部屋に差し込む陽のなかに、二宮さんがいる。




「うわあああ!!!!!!」





「...おはよ。」





「ななななんでっ!」




「...なんで?」




「にのみやさんが、」




「...オレが?」




「いるんですかっ!!!」




「...ん。分かった。まずね、よーく周りをみてみて?」






起きるなりパニックになった。
目を開けたら二宮さんがいるんだから!!!



冷静な二宮さんの言葉に、周りをみる。




... まさか




「.....ここは、、、」



「ん。オレんち。」




頭に浮かんだ事と、、その言葉に、尚更頭がぐるぐるしてきた。




.....落ち着け。。自分に言い聞かせる。




どうして?


今のこの状況に、考えを巡らす。





昨日の夜、二宮さんとご飯を食べて...



...




...





顔から血の気が 引いていく...





...私、、、寝ちゃったんだ





じゃあ、二宮さんに...





ベッドの上に、正座になる。



「...大変申し訳ございません。ご迷惑をおかけしまして、なんと言っていいか…」




頭を下げた私の視界に...見覚えのないスウェット。




えっ? コレは...



私の視線に気付いた二宮さんが 話し出す。





「...それ、オレの。あなた、ピッタリしたパンツだったからさ。そのまま寝たら苦しいかと思って、、、貸したげた。」




二宮さん...優しいな〜♡




「...あ、ありがとうございます。.....えっ? あれ?でも、、」




「...んー。履かせてあげたよ。もちろん。」





カァーと、顔か赤くなるのが分かった。




「 /////////////// にににのみやさ  」




「クククッ.....待って待って。電気消してたから、なんも見てないよ、オレ。ま、信じるか信じないかは、あなた次第だけどね?」





...




...




おかしそうに笑う二宮さんを見て、初めて気付いたことがある。



二宮さんが 見たか見てないかが、重要なんじゃない。いや、それも気にはなるけど...



... お酒を飲んで 、、


そのまま男の人の部屋に行って.....


眠ってしまうって…




...軽蔑されてもおかしくない



...嫌われても、おかしくない





「ん? どした? ...まだ疑ってんの?」




二宮さんは、変わらず優しい顔をしているけれど。



...優しい人だから、もしそう思っているとしても言わないかもしれない。




「...ん? 」



二宮さんが、ほっぺをツンツンして、顔を覗きこんでくる。



その仕草に、、



「...二宮さん、、、私のこと、嫌になっちゃいましたか?」




素直に聞いてしまっていた。




二宮さんは、少しびっくりした顔をして。



それから、



すごーーく、優しい顔をして微笑んだ。




「それはさ、つまり、、『酔って男の部屋に泊まっちゃう女』って、オレに思われたんじゃないかって…こと?」 




優しい顔で、、グサグサ 刺してくる。




「.....はい。」




「...ん〜、っていうかさ、聞きたいんだけど、あなた 酔っぱらってた?」




二宮さんの言葉に、ハッとする。




「...いえ。酔ってはいませんでした。たくさん飲んではいましたけど、私、お酒強いんです。今までも、飲みに行って酔ったことありませんし。あの量じゃ...酔いません。」




...なんで自ら、そんな酒豪アピールを、、


もう色んな意味で自分が情けなくて情けなくて 仕方ない。




「...ん。そうだと思ってた。...考えてたんだけどさ。張り詰めてたものが、緩んだんじゃない? .....翔さんと話してさ、、安心したんじゃない?」




二宮さんは、どこまでも優しい。


こんな私を、、一生懸命フォローしてくれる。



二宮さんの優しさに、ジワっと...目が滲んできたのを、慌ててゴシゴシした。



今泣くのは最低だ。

これ以上迷惑をかけるのは、嫌だ。







「...ゆり。」




二宮さんが 優しい声で私を呼ぶ。




「...はい。」




「...んな顔しないで? ...あなたが、色んなヤツと...なんて、、そりゃ、少し心配にはなったけど…今は思ってないよ。」




「...心配には、、なったんですね。」




信じてもらえて嬉しいのと、疑われるようなことをした自分が嫌になるのと、ぐるぐるした思考は、止まらない。





「...で。そろそろ、責任とってもらえます?」




二宮さんの突然の言葉に、ぐるぐるした思考は停止した。





「...責任? ですか?」




「...服着替えさせる時以外、指一本触れてないのよ? 」





「.....」




そうだ。
二宮さんに、着替えさせてもらったんだ。

また思い出して、恥ずかしくなる。


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でも...



急に別の考えが浮かんできた。



指一本触れてないって...



...私、、、女性として




魅力が  ないってこと?



二宮さんの周りには いつも綺麗な人ばかりだ...





また、ズーーンと




落ち込んだ。




責任...って、、




やっぱり 付き合えないって…こと?




私じゃ  だめって...ことなんだ。