真崎先生は、真摯で誠実な方だ。
二日間の実習を通してそう感じた。


飼い主に対してのインフォームド・コンセントを
とても大事にし、時間をかける。

そのソフトな話ぶりは、相手が疑問に思っていることを話しやすくさせる。



それは、スタッフに対してもそうだった。

だから 実習後、面接をした時にも
とても話しやすかった。


母やさくらの話から、大学での話。


普段なら絶対に人に話さないであろう
自分が感じていた仕事に対する違和感まで、
打ち明けていた。





真崎先生は…


個人病院のいいところは、仔犬仔猫の時から
その子が歳をとって亡くなるまで、
かかわることができることだと 言った。


だけど それには、患者と飼い主へ真摯な気持ちを持ち、常に努力していくことが1番大切だと思っていると。



大学で感じていた違和感を
一発で 言い当てられた…




そう…
オレは重度の病気の患者だけでなく、
動物をトータルで診たくなっていたんだ。



真崎先生と仕事をしたいと
素直に思っている自分がいた。

臨床医として、
色々なことを教わりたいと思った。




「先生さえ、うちに来たかったら、いつでも来てくれて構わないよ。私は、君が気にいったよ。」



と言って 下さった。



オレの返事はとっくに決まっていた。




そして、
2日間の実習中、
タイミング悪く有給休暇をとっている彼女。



彼女に会うのも楽しみだった。



彼女のことを考えると
自然に暖かい気持ちになり 口元が緩んできた。