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ある大学生が書いた卒業論文が話題になっている。

東北学院大学で社会学を専攻する工藤優花さん。卒論のテーマは、「幽霊現象」だ。被災地・宮城県石巻市でフィールドワークを重ねて書き上げた。20日付朝日新聞電子版に、その様子が紹介された。


◎タクシードライバー「振り向いたのに誰もいない」

記事によると、工藤さんは現地の100人以上のタクシードライバーに、震災後、気になる経験はないか聞いたところ、7人から不思議な体験を聞き出した。その一つが、「コートを身にまとった若い女性」のエピソードだ。

タクシードライバーは、震災が起きた2011年夏、その女性を石巻駅付近で乗せた。女性は、行き先をタクシードライバーに告げたが、行き先はほとんど更地。

不審に思ったタクシードライバーが、行き先を再確認すると、「私は死んだのですか」との返事が返ってきたという。驚いて後部座席を振り向くと、誰もいなかった。


この"乗客"を乗せた記録は、運転日報(乗務記録)として確かに残っているという。

工藤さんは、「若い人は大切な人に対する無念の思いが強い。やりきれない気持ちを伝えたくて、個室空間のタクシーを媒体に選んだのでは」と、犠牲者の霊が思いを伝えに来たのではと考えているという。

この論文はまとめられ、『呼び覚まされる霊性の震災学』という題で出版される。


◎勘違いとは言い切れない霊的現象の数々

石巻市では、他にも不思議な霊的現象が頻繁に起きている。

震災後、現地で修復工事に当たる作業員が、突然具合を悪くしたことで、亡くなった人の霊が不幸をもたらしているのではないか、と恐れ、工事が中断したケースがある。

ある女性は、津波から丘の方へ何度も逃げる幽霊の列を目撃したという(2012年3月3日付AFP通信)。

これまでも被災地では幽霊現象を訴える人が続出していたが、医学的に「脳の幻覚」などとされてしまっていた。しかしタクシーの運転日報に残っていることや、こうした体験をする人が複数いることを考えれば、勘違いとは言い難い。


◎遺族の正しい生き方が最高の供養に

未曾有の震災から早5年。この間、各地で起きた「幽霊現象」は、人間は死後も魂として存在すること、あの世へ行けずに迷っている霊もいることを我々に教えてくれているのかもしれない。

不成仏となってしまう原因の大部分は、生前宗教的なものと縁がなかったことや、この世への執着にある。

突然の災害などで命を失った霊が、助けを求めて幽霊となって現れ、障りを起こしてしまうケースさえも後を絶たない。

うなれば、生存者も霊である本人もやりきれない思いを抱えてしまうことになる。

こうした霊とどう向き合えばいいのか。

まずは、地上に生きる人たちが霊的真実を知ることだ。

あの世は厳然と存在し、死後、地上の肉体が滅びても、人間は魂として永遠に生き続ける。

そして、この世の生き方に応じた世界に戻り、第二の人生が始まる。

犠牲者の家族が生きていれば、家族が正しく生きることは故人に対する最高の供養になる

。同時にお彼岸の時期に思いを向けるのも忘れないようにしたい。

そして欠かしてはならないのが、宗教者による導きだ。

まずは、僧職者はあの世や魂の存在を信じなければいけない。その前提に立ち、僧職者による慰霊は単に形式的なものではなく、実際に数多くの霊を救うもの、という認識が社会的に広まっていくことも必要だろう。

こうした幽霊現象を供養の機会としてきたい。(冨野勝寛)

【関連書籍】
幸福の科学出版 『永遠の生命の世界』 大川隆法著
https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=139

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