あの感動はあるのか?

今夢中になって読んでいる本がある。『俺たちの箱根駅伝』池井戸潤さんの新刊である。

銀行や工場を舞台にした作品で多くファンを持ち、原作を元にしたドラマは高い視聴率を上げた人気作家だ。この池井戸さんが箱根駅伝を題材にした小説を出したことを知り是非読んでみたいと思った。


過去に箱根駅伝を題材にした小説はいくつか出版されているようだが、私は2作品を読んでいる。




 

その1   風が強く吹いている


 



1作目は三浦しをんさんの『風が強く吹いている』廃部寸前の弱小大学駅伝部がわずか10人で予選会を突破。本戦での手に汗握る展開に目が離せなくなった。各ランナーの胸の内の描写が秀逸だった。正月になると度々読み返しているほど好きな小説だ。





 

その2  チーム



2作目は堂場瞬一さんの『チーム』本選に選ばれなかった大学の“寄せ集めチーム”学連選抜(現「関東学生連合」)がこれまた予想を裏切るレースで胸を熱くさせてくれる作品。実際にはありえない展開だろうけれど、読んでいくともうそんなことはどうでも良いと思えてくるのだ。


どちらも甲乙つけ難い作品でもうこれ以上の物語は出会えないだろうとずっと思っていた時に、新聞広告を見て飛びついたという次第だ。




早速図書館に予約を入れるとまだリストに入っておらず、すぐに電話で入庫をお願いした。そして先日借りてきたのだ。手にした本は当然真新しく傷ひとつついていなかった。早速手に取ってみた。





 

その3  俺たちの箱根駅伝・




この作品も関東学生連合の“寄せ集めチームが本戦を挑むというストーリーらしく、いかに名手池井戸潤でも再びあの感動は起こせないだろうと読み始めたのだが、予想はあっさり裏切られてしまった。上巻はなかなかチームがまとまらない様子にヤキモキしながら読み進めたが、ラストでは思わず涙が出そうになってしまった。

「その手があったか!」


ランニングを愛し中学から大学の運動系の部活を続けてきた私だけでなく、スポーツに携わってきた人ならきっと共感するサプライズだと思う。

これ以上書くとネタバレになるのでここまでにしたい。

嬉しいことに2冊同時に借りられたのでこの感動が冷めないうちに下巻に突入したい。


気になる方は是非手に取って確かめてください。下巻読了後に再びアップしたいと思います。