添乗員用語なのか、

ほかでも使うのか知らないけれど、

「お客さんのケア」に時間を割けるかどうか、

って、


かなり、企画次第、なところがあります。



そう思った二つの体験。



一つ目は、


ここ  でも書いた、ハードな日帰り添乗のとき。



旅行前にお客さんに電話して、

集合場所や時間の最終確認をするのだが、


お客さんが


「足が悪いのですけど、大丈夫ですかね・・・」と

おっしゃる。



そう言われると、

添乗員として思ってしまうのは、

「くそーーーー

 前の席に座りたいための言い訳だなパンチ!


と。。。


だって、

足が悪いとか、体調が悪い、とか酔いやすい、とか言って、

前の席を勝ち取ろうとするお客さんって多いんだもん。。



相変わらずそう構えて


「お座席の希望は特にお取りしていませんが・・・」と応えると、



「あの、うちの主人(同行者)が義足なのですけれど、

そうなってからこれまでうちから出たことなくて、

でも、思い切って申し込んでみたのです。

申し込みのときに聞いたら、大丈夫ということで。。。

迷惑かけるかもしれませんが、よろしくお願いします。」



「あ・・・はい、こちらこそよろしくお願いします」



ま、義足だろうと何だろうと、

お客様に平等である精神になんのかわりもないのだけれど、

この電話は記憶に残っていました。


正直言うと、

「えっ 最初に思い切って出る旅行で、ミステリー選ぶ?フツー?」と

思ってしまいましたが・・・


そして当日。


7~8ヶ所もの立ち寄り先に、

一生懸命歩くご主人の姿と、

それを見つめる奥様のまなざし。


自分に痛烈に刺さってくるその映像と、

結局、車内販売の積み込みや、集合時間に追われて

何もしていない反省があいまって、


「お客さんのケアをする時間がほしい」と思った、このコース。


その義足のお客様は、

8ヶ所目の立ち寄り先ではバスから降りませんでした。


もう、足が痛むのだろう、と初めて気がつく。



そして

もうひとつ、

ある旅行会社に挨拶に行ったときの事。



「うちは、車内販売もオプションもあまりやりません。

その代わりに、お客さんに気を遣ってほしい。」




そっか・・


そりゃ、そうだ。




それを聞いたとき、

正直、そうあるべきだと思いました。



お客さんのケアをマイナスにしてまで

車内販売に時間をかけていていいの?


ダメなんだけど、

今は、そうなってることも多い。


与えられた時間の中で精一杯出来ることには限りがあって、

自分はその中で、全体に対する注意喚起しかできない、って場合も多い。



そして、お客さんをケアするべき状況に対する価格設定が、

今と見合ってないのは事実。



何度か、

時間の指定のあるもの(定期電車の発車時刻や開演時刻)に

追われて、

「どうしてもっとはやく歩いてくれないのよっ(怒)」と

思ってしまっていた自分に気づきました。


儲からない商売もキライだし、

効率的過ぎる経営もキライ。


でも、

満足度を高めつつ

利益の出る構造にするのって、

むずかしーんだな・・


と、改めて、実感。