「陽月」
「尭也…?」
太陽が真上にきた正午。眩しさから下を向いていた陽月は自分を呼ぶ声に尭也だと思って顔を上げた。
疑問系になってしまったのは陽月が最後に聞いた2年前の尭也の声とは高さも質も全然違ったから。
そして顔を上げた先にいた男子が自分より頭一個分以上背が高かったからだ。
陽月が知る尭也は猿みたいな可愛さがあって、自分より背が低くて、いつも外で遊んでいたから肌が日焼けして黒めで、目の前に立つ男子が尭也だとは結び付かないのである。
「何で疑問系なんだよ。まぁかっこよくなったからな~俺。身長なんか去年の夏休み中に10センチも伸びたし。今日行くってことしか書かなかったのに浴衣着てきてくれたんだ」
「うん…15日が秋祭りなのは毎年のことだし、その日にこっちに来るってことは一緒に回れるのかなってその…ちょっと期待して」
「へへっ、なんかヤバい。陽月が俺の前で赤くなるなんて嬉しすぎる。手紙に書いてあったこと、マジだったんだな」
おちゃらける尭也に陽月が顔を赤らめながら真面目に答えると尭也は嬉しそうに笑い、ブランコから立たせた陽月をそっと抱きしめた。
公園の真ん前に建つ6号棟から丸見えの場所での抱擁に一瞬陽月の頭の中には親が見たらどうしようという焦りが生まれたが、自分の存在を確かめるように腕の力を強められた瞬間にどうでもよくなり尭也の背中に腕を回して陽月も彼の存在を確かめる。
「引っ越しても陽月のこと忘れられなかった。初恋だからじゃない、陽月は小学校1年生の時から俺の人生に欠かせない女だったからだ。…って離れがたいけど噂になったらお前が困るしそろそろ祭りに行くか」
「…うん」
5分間、無言で抱きしめあっていた二人だったが陽月の家から丸見えの公園でいつまでもそうしているわけにはいかないと我に返った尭也から体を放し、代わりに手を繋いで神社へと向かうのだった―――――。
続く
「尭也…?」
太陽が真上にきた正午。眩しさから下を向いていた陽月は自分を呼ぶ声に尭也だと思って顔を上げた。
疑問系になってしまったのは陽月が最後に聞いた2年前の尭也の声とは高さも質も全然違ったから。
そして顔を上げた先にいた男子が自分より頭一個分以上背が高かったからだ。
陽月が知る尭也は猿みたいな可愛さがあって、自分より背が低くて、いつも外で遊んでいたから肌が日焼けして黒めで、目の前に立つ男子が尭也だとは結び付かないのである。
「何で疑問系なんだよ。まぁかっこよくなったからな~俺。身長なんか去年の夏休み中に10センチも伸びたし。今日行くってことしか書かなかったのに浴衣着てきてくれたんだ」
「うん…15日が秋祭りなのは毎年のことだし、その日にこっちに来るってことは一緒に回れるのかなってその…ちょっと期待して」
「へへっ、なんかヤバい。陽月が俺の前で赤くなるなんて嬉しすぎる。手紙に書いてあったこと、マジだったんだな」
おちゃらける尭也に陽月が顔を赤らめながら真面目に答えると尭也は嬉しそうに笑い、ブランコから立たせた陽月をそっと抱きしめた。
公園の真ん前に建つ6号棟から丸見えの場所での抱擁に一瞬陽月の頭の中には親が見たらどうしようという焦りが生まれたが、自分の存在を確かめるように腕の力を強められた瞬間にどうでもよくなり尭也の背中に腕を回して陽月も彼の存在を確かめる。
「引っ越しても陽月のこと忘れられなかった。初恋だからじゃない、陽月は小学校1年生の時から俺の人生に欠かせない女だったからだ。…って離れがたいけど噂になったらお前が困るしそろそろ祭りに行くか」
「…うん」
5分間、無言で抱きしめあっていた二人だったが陽月の家から丸見えの公園でいつまでもそうしているわけにはいかないと我に返った尭也から体を放し、代わりに手を繋いで神社へと向かうのだった―――――。
続く