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5月31日から公開したジャッキー・主演の「ライド・オン」。6月2日の日曜日に観てきました。

 

 
4月から配布されていたチラシ。見開き二つ折りの豪華版です。
 
 
 
鑑賞のシチュエーションは昨日の日記通りですが、なんばパークスシネマのスクリーン2,118席。やや小さめのハコですが京都よりゆったり。
 
4列目のD席に鎮座。ほぼ満席状態で、ここ10年ほどのジャッキーの映画は過疎状態だったので異例の事態かも・・・というか字幕上映が公開週なのに1回しかないって・・・状況悪すぎないかい?東京は急遽ジャッキーが来日して舞台挨拶するっていうのに・・・。く~!!
 
そんな今回の映画、ジャッキー主演デビュー50周年とかいろいろ冠が付いてますが、ジャッキー映画ってなにかと何かの記念超大作って付けられやすい。
 
今回の映画は中国の監督ラリー・ヤンさんが何年か越しに大好きなジャッキーのためにアテ書きをして、断られたらそのまま闇に葬ろうと思ってたという渾身の企画らしい。
御年43歳の若いヤンさんは子供の頃からジャッキーの大ファンだそうで、今の日本のジャッキーチルドレンというおっさん達よりさらに少し若いのでアクション絶頂期に生まれたんだろうね。
 
落ちぶれたスタントマンという設定がずっと表の光を浴びてきたジャッキーが支えてもらった仲間たちの立場にまわるので正に演技力を試されるところ。
 
ジャッキーは2009年の日本のVシネマ調作品「新宿インシデント」で中国から日本に恋人を探しに来た難民、という役を演じて渾身の演技を見せてくれていた。
この時にどんな役でも引き受ける役者として続けていくか、今まで同様人気作の続編を続けて行くべきなのか今回の作品の評価待ちなんだよ、って言っていたので50代の頃に壮年の方向を模索していたように感じます。
私は今回「ライド・オン」公開に向けて過去作がBSで放映される特集で改めて鑑賞してみて、子役からこの世界を知っているジャッキーは役者としてのスキルは身に着けていると思いました。
が、いかんせん本人の放つオーラの強さと世間の求める方向はやはり本人の野心とは違っていたようで、続編や似たような作風が続いてしまってるようです。もっといろんな顔を見せれるはずなのにものすごく残念。
 
が、そこに来た今回の「ライド・オン」。
ジャッキーを彷彿させるキャラクターでいて、光を隠すスタントマンで8年前の事故で自信をなくしてしまっている普通のおやじっぽい設定。これを還暦過ぎたころのジャッキーがいい感じに演じていました。
 
このキャラクターが映画村のような所の一角に住まわせてもらって、馬の相棒チートゥと一緒に住んでいる、という設定がユニークでいてファミリーに受け入れられやすい作風に仕上がりました。
この相棒のチートゥがCGじゃなく本物の馬なんですが素晴らしい演技力でした。
 
映画会社の社長の所有する馬が産んだ仔馬が足が不自由なので処分されるというのをもらい受けて献身的に世話をしながら芸も仕込んで共に過ごしてきたのがジャッキー演じるルオ。
馬の名前はチートゥ。
 
伝説的なスタントマンだったのに大事故からの怪我が原因で映画村にチートゥと共に住み込んで、借金取りから逃げながらほそぼそと働いているルオ。
 
チートゥの親馬の飼い主である他界した社長が債務返済で財産を差し押さえられるときにチートゥが会社所有物で差し押さえられるという事態になり、もらい受けたはずのチートゥと離れないために絶縁状態だった司法学生の娘と連絡を取る・・・というストーリー展開。
 
この娘役のリウ・ハオツンが最初はイマドキの中華圏のかわいい女優さんね、と思ってたけど、ささやくようなウィスパーボイスにつぶらな瞳、からの演技を見てると「あまちゃん」で能年玲奈ちゃんに感じた時のような透明感を感じる好印象だったのでした。
あ~、この写真じゃ透明感はないな(><)でも、チャン・イーモウに発掘されたというから何となく納得。
 
今回の映画はジャッキーのファンには思い入れたっぷりで満足できる作品ですが、一般的にはジャッキーの演技力を確認するだけでなく、賢い馬のチートゥと、ハオツンちゃんの透明感に好感度が高かったのでセールスポイントになってると思うのです。
 
それにしても「ポリスストーリー、リボーン」や「フォーリナー」のようなシリアス演技の時にも狂気の行動の先には「娘」への思い、とい辟易してたところに今回も「娘」。
これはナンデヤネン(><)という気持ちが少し沸く。
スキャンダル的にプライベートな話を思い出すと実子にはしばらくは隠し子状態だった息子ジェイシーがいて、非認知とすっぱ抜かれたのが娘。このあたりは残念というようなゴシップなのでここで書くのは控えるとして、それを知ってるファンとしては何で今回も娘にメロメロな役になってしまったんだろう。
ラリー・ヤン監督はわざと?その役で娘に詫び続けるのをジャッキーにカメラ越しで詫びさせてるの?なんかそういう複雑な気持ちを思い出してしまうのは否めない。いや、普通のジャッキーファンはそんなこと思い出さないんだけどね、私がイジワルなんだと思います(^^;)
 
ただ、このストーリーが上手いのは娘は弁護士じゃなくて法律を学ぶ学生、という設定。
ルオのために戦ってくれるのは娘の恋人の新人弁護士のルーくん。
今回、このルーくんが近年のジャッキー映画に配置されるメインキャラのイケメンにうんざりさせれらてたのに反して、朴訥とした地味なお顔立ちで、愛する娘に手を出す男として昭和アニメのおとっつあん的に絡むエピソードでオロオロする青年ルーくんとしてはいい感じの役者さんでした。
左にいる男の子でグオ・チーリン君というらしい。パンフレットに親がコメディアンで本人も漫才師らしい。
なるほど~!だからか、ジャッキー映画のオマージュでカンフーの修行のしごきみたいな事で笑いを取る頼りない新人弁護士という設定でした。
が、このルー君というキャラクターがこの映画の良心のひとつとしてクライマックスからの必要な人物でもありました。
ルー君が登場した時の裁判は離婚後の親権争いのもと夫婦で妻側の弁護を担当して勝訴するのだけど、現実には妻が引き取るとネグレストになることが心配される空気で、子供ために一生懸命だった夫を貶めることをしてしまった事に対してジレンマを持つ心優しい男、の設定だったのでした。
 
ゆえに話の展開と共に父に対して緩和できるように常に寄り添っているルー君は必要なキャラクターだったと思うのです。
 
仮にこのルー君を息子の設定にした話だったら?と思うことができないのが名演技を見せた愛馬のチートゥの存在。
献身的な介護と訓練で寄り添って生きてきたチートゥをルォさんはずっと「息子」とみんなに紹介します。
ここで「息子」が二人になったら展開がルー君がチートゥにやきもちを焼くことになっちゃう。
娘だと「なかよくしてね」と馬に素直に寄り添える。
そっか、そういう設定も考えていたのかもしれません。
 
話の展開がそう思うとスムーズ。
しかも馬の所有権の裁判ネタにとどまらず、ルオさんにスタントマン復帰を願い出る友人の誘いがあり、その危険性のある仕事に対しては契約問題はちゃんと考えなければいけない、という事で娘ちゃんはマネージャーを買って出る展開に。
このあたりも娘ちゃんがプロデューサーや監督と渡り合うところをコミカルに見せながらも今思うと昔のスタントマンはこのへんが曖昧だったんじゃないかという問題視にもしてたのかも。
 
ルオさんには弟子にしている夫婦がいて、(ネットに写真みつけられず)コメディリリーフ的なシアマオさんと妻のインズさん。
このインズさんがスタント中に事故を起こしたというエピソードがありました。
ここでジャッキーはリハーサル中にやはり過去に何度もこういうシチュエーションを見てきたのでしょうね、号泣してたっぽい。
 
一歩間違えたら死か再起不能、でも「スタントマンはノーと言わない」が持論なのは「龍虎武師」も今回のジャッキーも言っていました。
それを貫いて続けても事故が起こる時は起こる。
 
CG時代で仕事の質も変化している現代。最初のクライマックスでチートゥと共に最高のスタントを見せてくれます。(が、ちょっと長い気がしたケド)
 
そのあとでのチートゥとのドラマが!!
ここでこのチートゥ役の馬さんはどこまで合わせた演技をしてくれたのかというほどの素晴らしい涙の演技を見せてくれます。
これをアニメじゃなくて本物の馬が演じているのかと思ったらチートゥが主役と言っても過言ではないかも!!
 
映画は動物と子供には勝てない、と役者さん泣かせではあると思いますが、「ジャッキー・チェンの回顧」で成り立つ話に「動物」が加わって、アクションは演出の一部と言った感じなのでポスターデザインの雰囲気を変えたら「あるスタントマンの話」という佳作としても良作だと思います。
 
ながらポチポチなので3日かかってこの程度の内容しか書けてませんが、初日、週末、日曜の満席率は場所に寄っては高かったけど、上映回数が減っている悪環境・・・なのに公開2週目にしてジャッキー様東京のみ舞台挨拶に来日!
こんなタイミングなのはホントに「急遽決定」なんだろうね~。
普通は舞台挨拶って初日か満員御礼の時にしそうなものなのに、公開ギリギリまで本人の影のないジャッキーチルドレン世代のマスコミ関係者の応援公開みたいな印象があった(^^;)。
そこにファンクラブ在籍者にペアチケットが書留で送られたり、東京ローカルでメッセージインタビューがぎりぎりあったり、それだけでファンが盛り上げ続けてたところの来週の来日は、
「ファンのみなさんに会いたいから」という理由だそうで、それはリップサービスじゃなくて本当っぽいな、と思えてしまう。
 
私はファンクラブには入っていないオブザーバー的なファンではありますが、「推し」はジャッキー・チェン。生活に悪影響のないように推し活をたしなみたいと思ってます。
楽しいなぁ。
 
今回、日本中から私より若い世代の人たちが東京へ会いに行っちゃうと思います。
ジャッキー70歳。その方たちが生きてるうちに一回でも「会えた」って経験ができるといいですね。
 
私は見守っていきたいと思ってます。