「ネオンは消えず」が公開した時に香港映画好き仲間の友達が、「白日青春」も26日から公開しますけど日曜日に一緒にいきませんか?とお声をかけてもらった。

この日はうたかたレトロ市も開催されるし大阪に出るのも悪くないな~と思ったので快諾。

この作品、東京では初日に主演の黄秋生と書いてアンソニー・ウォンが舞台挨拶来日していて関東のフォロワーさんたちがネットに写真をあげてらした。

(ネットニュースから拝借)

西洋人的な顔立ちの秋生さんは「インファナル・アフェア」で衝撃的な役もやられてたのが記憶に新しいところ。

雨傘運動の時にちょっと応援的な発言をしたせいかご本人いわく仕事が回ってこなくなったから新人監督の誘いを受けている、らしいのですが、映画界的には新人を育てるために協力的にニューウェーブな作品に出ているのではないかと言われてます。本人は違うよと言ってるみたいですが・・・。

 

そんな秋生さんの映画は京都だとミニシアターだし、行こうかどうかは迷ってたのですが、友達との位置的に中間の大阪で観ようということで公開しているのはミナミにあるなんばパークスシネマ。

11時55分の回なので、お昼にかかっちゃうけど11時にレストランはゆっくりできないしなぁ、ってことでなんなんタウンにある英国屋のモーニングを食べに行くことに。

クレープの上に野菜と焼いたベーコンと目玉焼きが乗っかっていました。カフェオレを注文。

友達は200円安いサンドイッチにしてたけどサラダも付いてたし値段的にそっちでもよかったかもなぁ。

最近、モーニングが楽しみになってます。

 

11時半ごろお会計してなんばパークスへ。

 

ここの建物は面白い形だよねぇ。

 

シネマへは奥の方のエレベーターに乗って10階へ。屋上庭園に出ちゃった。雨が降ってたら大変ね。

 

映画館へはエスカレーターで降りたところへ分かれています。

 

この日はシアター3

 

このシネコンでは中より小さめっぽい印象だけど、ミニシアターより絶対大きい。

 

段差がある!椅子大きい。

 

一番後ろから見るとこんな感じ。スクリーン、けっこう大きい。ワタシ的にはベスポジは4列か5列目で迫力を楽しみたいところ。ちょうど中央あたりで楽しめました。

 

さて、本編「白日青春」は去年の大阪アジアン映画祭の招待作品でした。

 

日本版チラシのデザインはこれを踏襲して副題に「生きてこそ」と付いてます。

 

元のデザインにはこういうのもありました。

これを見て、先週京都シネマでやってた予告編も観てあれ?ちょっと香港映画っていうよりもニューウェーブ作品って言う雰囲気かな?と感じてたけど敢えてあらすじや解説は読みませんでした。

 

 

序盤にストーリーの進むのは香港に難民として暮らすパキスタン人の男が海外移住のために仕事を仲介業者を通して交渉しているあたりが描かれていて、彼には身重の妻がいて、もう一人9歳の息子もいる。

貧しい暮らしに息子は時々盗みをはたらく。その彼を厳しくしつけようとする男。

とにかくこの息子が無表情に度を越えた盗みを働くのが不快で(><)

お父さんのまっすぐな性格がわかるセリフやエピソードが進んでキャラクターがわかってからのこの息子のシチュエーションになるととても切なくなる。どうやったら子供に伝わるのか。

難民という生活環境が卑屈にさせてしまうのかなぁ、子を持つ親としてもこの子供の表情が最後まで無表情なので考えさせられるんですよネ。

 

秋生さん演じるタクシー運転手の男は妻を亡くし、息子は養子に出した様子。その息子の結婚式に間に合わせるために慌てていたこともあり、道を一時停車しないで出てきたパキスタン人の運転する車にぶつけてしまう。

彼が難民申請中であったことから見逃されるけど、何度も乗車中に出くわしてしまう因縁が。

立場は弱いのにぶつけられたことで被害届を出したいとモメることになるところにまた出くわしたのでどちらが悪いのかわからないうちに接触事故に。

 

ここからが驚きの展開で、入院中にパキスタン人は亡くなったことを知る運転手。

養子に出した息子は刑事で、血はつながっていても愛情を感じたことがないことがずっとこの刑事の中にも引っかかってました。

香港映画はこの設定がよくあるなぁ、と。それが母親だったり、父親だったり、一緒に住んでてもなにか過去にあったとか、親子間の確執、という設定はあるある。今回もそれでした。

その設定を絡めることが主人公の良心の呵責からの奇行をとがめる観客目線でもあり、敵役とまでいかないとしても奇行を引き立たせるキャラクターとして表現されるのかもしれませんね。

 

この映画でパキスタン難民を描いてたわけですが、申請すれば子供は学校にも通っていたけど、生まれる子供はお金がなければ養子に出す選択肢を提案されるのも現実なのかも。

このあたりを説明する医師のビジネスライクなシーンはパキスタン妻を同情的に描くためなのか、本当にこんな感じなのか・・・。

いま、人にやさしく、を推奨する時代の日本に住んでいると驚かされます。

クライマックスはこの子供を警察からかくまって海外へ逃がそうとする運転手。

この辺のくだりにジャッキー映画でおなじみだった太保さんが漁船のバイヤーで出演していてお年を召してらした皺の多さに驚きました。

太保を大画面で観ちゃったよ、とウルウル。

 

 

運転手は本土からの難民だったという設定でした。養子に出した息子に愛情を注げなかったことへの疑似的な愛情だったのか、かかわったばかりに死なせてしまったパキスタン人への贖罪からだったのか、秋生さんの表情の演技もどちらにも取れるようであり、別の思いがあったのかも、と憶測できる、そんな雰囲気でした。

 

タイトルの白日は運転手の名前でパクヤッ。青春はパキスタン人の息子のハッサンの中国名。

でも、この二人の追いつ逃がしつ・・・までの時間の中身がこの名前を並べたタイトルが表しているようでもあり。

パクヤッは肝臓もやられていて喀血もしていた。短時間の逃亡劇と息子と断絶した展開からの未来はまさにわからない真っ白なのかもしれない、そんなネーミングだったのかも。

 

バイオレンスの好きな香港映画ファンはチョイスしないジャンルかもしれないし、私も黄秋生さんだけが知ってる出演者だったので特に期待はしていなかったので、今回誘ってくれた友達に観る機会をいただけて感謝なのでした。

 

映画館を出たら雨が降ってたのかな?という空と地面・・・。

 

なんばでお茶するより目的地の中崎町へ向かおうか・・・ということで、この日の後半戦は次回の日記に。