GWのダラダラ生活で録画消化もいいのですが映画も一本観たい。

夫の長期休暇のたびにジャッキー作品をレクチャーしてたのですがちょっとジャッキーはお休みしてアニメに。

1982年夏休み映画だった「わが青春のアルカディア」を。

 

これ、「さよなら銀河鉄道999」の次に松本零士キャラクター主役長編作品として東映が製作したと思ったけど東急エージェンシーがメインで関西での公開はミニシアター作品の多い三越劇場での期間限定上映でした。

 

公開時にチビッコとまざって鑑賞したけど・・・とにかく長かった。中盤にクライマックスが来たので集中力がいったん途切れたせいかみんなが知っているハーロックにつながるクライマックスまでが長かった。チビッコはどこまでわかって見てたんだろう(^^;)それくらい「大人の鑑賞する作品」の香りにまみれていた気がします。

 

そう、「劇場版銀河鉄道999」やテレビや漫画の「宇宙海賊キャプテン・ハーロック」のエピソード0というか前日譚になる二次創作的な感覚が否めない長編作品でした。

 

序盤は第二次世界大戦中のF・F・ハーロックこと先祖にあたるハーロックが魔の山スタンレーに挑んだ体験を見事なスピード感ある映像にしていました。

松本漫画に一時期夢中になった方はこのスタンレーの魔女というワードで戦場まんがシリーズを思い出すと思います。

このタイトルでハーロックの先祖は本を書いていて、末裔までこの本はバイブルとして肌身離さず持ち歩いてる形で紹介されます。

 

舞台はイルミダス星人に攻撃されて難民になっている地球人を移送する艦の艦長が末裔のハーロック。

地球に駐屯しているイルミダスに侵略されているトカーガ人のゾルに護衛されて地球に帰還したところで話が展開。

ゾルの声は「ガンダム」のシャアで声優としての知名度が上がった池田秀一さん。ごつい顔のキャラクターですがイケボです。

ハーロックの声はプロローグのご先祖が石原裕次郎。劇場版としての芸能人枠だったと思うのですが億単位(?)のギャラだったとかでそれは話題作りにしてはギャラに製作費を使いすぎなんじゃないかと思う。裕次郎さん、よかったんですけどね。雰囲気はあるんですけどね、でも声優じゃないからちょっとボソボソしてた感があったかなぁ~。森山周一郎がよかったんじゃないかと思うよ!!あ、それだとブタになっちゃうか(^^;)

 

2代目以降はテレビ版、劇場版999と同じく当たり役となった井上真樹夫さん。

真樹夫さんの二枚目声は今で言うイケボ、とは一線を画して知的な印象があります。媚びた甘さじゃなくてクールな甘さ。

「巨人の星」の花形満とか「さすらいの太陽」のファニーに始まり、「ルパン三世」パート2以降の石川五右衛門や「キャンディ・キャンディ」のアルバートさんが真樹夫さんだとわかった時にはぴったりすぎて小躍りしましたとも!

そして大好きな「燃えろアーサー」の二枚目枠のキャラクター竪琴の騎士トリスタン!!

似通ってるイメージの部分はもちろんありますが、声の演技の安定でキャラクターの顔を見ただけで記憶だけで想像できるくらい当てはまった声、というのがやはり唯一無二のお方だったと思います。

そんな真樹夫さんの宇宙海賊になる前のハーロックのまだ未成熟な雰囲気はテレビ版の時とはあきらかに演技を変えていたように聞こえました。

 

 

虐げられながらも生き続けている不思議な男トチローと意気投合。

トチローの声は「劇場版999」に続いて富山敬さんの続投。

アルカディア号を発信させるときの号令はヤマトの古代進を彷彿して懐かしかったです。2枚目も3枚目も演じる富山さんは昭和の声優遺産と言っても過言ではないと思います!!

 

連行されたときに調べられた二人の深層記憶で祖先も親友同士だったと判明してこれまた距離がぐっと縮まる。

 

侵略された地球下に音楽で勇気づけるラジオ放送を流すマーヤという女性がハーロックの恋人。

朝比奈マリアさんの歌う「太陽は死なない」が流れるシチュエーションになってました。

YouTube見当たらず。

マーヤ、おしとやかなヒロインでしたがこれって現代風だとDJですね(^^)

美しい声は武藤礼子さん。メルモちゃんのイメージが強いですが海外ドラマやクラシック洋画の女性アテレコで70年代はよく耳にしました。

 

貿易商人のエメラルダスなどイルミダスへの反乱に向けて彼女らが処刑されそうになるところからトチローが密かに作り上げた海賊船アルカディア号が発進するまでがクライマックスになります。

エメラルダスの顔の傷やハーロックの右目の負傷などの事件がこの作品で明らかになっていました。

エメラルダスは「劇場版999」の時と同じく田島令子さん。

私より上の世代の田島令子さんは女優としてもだし「バイオニック・ジェニー」のリンゼイ・ワグナーのアフレコのイメージが大きかった。

が!1979年にアニメ版「ベルサイユのばら」でオスカルに抜擢されたので、今は田島さんといえばオスカル、と言われる代表作になられました。女優としてのお仕事の方がだんぜん多いのに。それだけアニメに関わった事のインパクトは大きかったのだと思います。そういう立場の女優さんだと言うことがどの田島さんも知ってるファンとしては素晴らしいな~と思います。

八千草薫さんと高橋幸二さんの舞台を観に行った時にも出てらしたので若かりし頃の生田島さんを観れたのはラッキーでした♪

 

声優さんの話しで埋めてしまいましたが、全体的に戦争映画な作風で、特に今の時代に観ると地球の難民がウクライナの人たちと重なって見えて、この時代に愚かな侵略戦争はもう繰り返さないでほしいと願っていたはずなのに40年経っても同じ殺戮が繰り返されている現実に恐ろしさを感じました。

トカーガ人のゾルの幼い妹が唯一助けられたにもかかわらず息が続かず、「トカーガの最後の女も死んでしまった」と絶滅を嘆いて自爆していく様子は辛く、人類の先の事考えて政治をしてもらうべきなのに!!と、当時はお話しとして見ていたアニメなのに悲しい思いがリアルな時代になって、こういう作品は繰り返し放映して目に触れる機会が一人でも多くなることを願います。

 

原作者の松本零士さんも今年亡くなられて、時間はどんどん経っているのにね。


カッコイイイメージのハーロックもトチローやエメラルダスと出逢って、アルカディア号を託され、マーヤの作ったキャプテンの衣装をまとうまでとそれ以後のカリスマは人との繋がりありきの成長なのだと感じました。

人はみな一人では生きていけないとのだから✨✨✨

 

地球追放にされて宇宙海賊として飛び立つアルカディア号と共に主題歌が流れるんですが、オフ会でよく歌うんだけど~・・・

めっちゃ歌謡曲感強くて、映画全般にクラシカルな音楽が流れていたのになんだかアルカディア号がトラック野郎みたいな印象になってしまったのは否めなかった(^^;)

 

 

歌としては好きなんですけどね。エンディングにはもうちょっと落ち着いた曲の方がよかった気がする~。