「象に乗ったことある?」

父の還暦祝いで和歌山へ家族旅行した時にアドベンチャーワールドの「象のタクシー」に父と乗りました。

私も20代でしたが家族で一番若いので父にサービス。

なんか「乗った」というイメージしかなかったけどね~。

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この間から「ギルバート・グレイプ」を見返したくなってたので録画したDVDを探してたら、BSPで放映するという情報があったのでタイムリー!
それまで待って、今日見ました。
1993年作品ですが、日本公開は1994年。
テアトル梅田で鑑賞したのですが、ミニシアター公開で異例のヒット作でした。
この時期、「妹の恋人」と「シザーハンズ」でジョニー・デップのファンになって、同じころに三越劇場で公開された「アリゾナ・ドリーム」を先に観たんですが、もうこれは早く「ギルバート・グレイプ」に行かなくちゃ、と思ってたんですが連日満員(当時は自由席なので収容人数カウント入場でした)で、ふつう2~3週間で次の作品にかかるミニシアターなのにロングランしていたのでした。
 
あまり猫も杓子も騒ぎ始めると気持ちの冷めて行く私ですが、これに関してはそんなことはなかったです。
 
監督はラッセ・ハルストレム。スウェーデン出身の監督で「アバ・ザ・ムービー」の8年後の「マイライフ・アズ・ザ・ドッグ」が話題に。「やかまし村の子どもたち」もハルストレム監督なのでした。
この映画ののちに「ショコラ」で再びデップくんが出ています。
 
スウェーデンの監督とはいえ、アメリカの田舎で今でいうヤングケアラーな生活のデップの話しなのですが、17年前に父親が自殺したあと自宅に引きこもる母親は異様なくらいの巨漢になってしまう。(この役は実際に役者ではなかった巨漢で話題になった方だったようですが、そうとは思えない秀逸な演技を見せてくれてました)
家を出た兄、家事を引き受ける姉、妹、そして知的障害でもうすぐ18の誕生日を迎える弟、それが若いレオナルド・ディカプリオ。
ディカプリオはこの演技で大66回アカデミー賞の助演男優賞にノミネートされてました。(この時の助演男優賞は「逃亡者」のトミ・リー・ジョーンズ)(余談ですが外国語映画賞にレスリーの出てた香港映画「覇王別姫」もノミネートされてました。とにかく良作の多い年でした)
 
ディカプリオはその前の「ボーイズライフ」で初めて認識してましたが、その時は普通の少年だと思ってたのでこの「ギルバート・グレイプ」の知的障害のアーニー役は本当にそういう障害のある子に見えて熱演でした。
 
最近活躍している菅田将暉くんを「仮面ライダーW」の頃から見てるのでエキセントリックな人物もできる雰囲気に誰かを思い出すなぁ~とずっと思ってたのですが、顔とかの容姿ではなくて演技の雰囲気がディカプリオを思い出すなぁ、と感じてます。
いまの大河ドラマの狂犬のような義経とかね。
 
給水塔に勝手に上って警察から何度も叱られるアーニー。
でも奇声をあげて笑って口ではやりませんと反復するけど何度も世間を騒がすことをしでかすアーニー。
 
そんな弟の世話をずっとみているのが同性の兄弟でもあるギルバート。
普通、世間体を考えて自分の保守になりがちなのですがギルバートはずっと弟をかばってる。
アーニーの代わりに謝るし、アーニーが泣いていると抱きしめてなぐさめる。
いじめられていると全力でかばいに来る。
 
今回久々に見て、あれっ?と既視感があったのが(再鑑賞の意味ではなく)洗面所で顔を洗っているギルバートが浴槽を見るとアーニーが浴槽で凍えてる。
バスタブに放置してたことを思い出して、兄がタオルを持ってくるまでずっとバスタブに浸かったままのアーニーだったので何度も「ごめんな、ごめんな」とギルバートはアーニーの身体を拭きながら抱きしめて謝ってるシーン。
ジャッキー・チェン多忙期にサモ・ハン・キンポーが監督した作品「ファースト・ミッション」が知的障害のある兄の面倒をみる刑事の弟がジャッキーで、やはり洗面中にバスタブを見るとアヒルのおもちゃで遊んでたサモハンがおぼれかかってる、というシチュエーションがあったんです。
香港映画だしサモハンなのでてっきりパクリかと思ってたのですが、「ファースト・ミッション」は1985年作品。
「ギルバート・グレイプ」はそれより8年もあとの1993年作品。
え?まさかハルストレムが「ファースト・ミッション」から?とはまさか考えられないし、脚本も兼ねたピーター・ヘッジスの同名小説が原作というので・・・う~ん、原作も1991年かぁ~。
「ファースト・ミッション」観た時にやはりできる弟と知的障害の兄というシチュエーションで「レインマン」ものちに彷彿したのですがこれも3年あとの1988年作品なので、「ファースト・ミッション」はパクリの多い香港映画の中では珍しく先駆的アイディアだったと思われます。
と、いうことをパクリと誤解されないようにサモハンの名誉のために追記しておきました。
 
ギルバート、姉妹とともに母にも寄り添っているし、大型スーパーの進出におびやかされている町の雑貨店でも働いている。
お得意様のところへの配達もしていて、そこで都会から不本意ながら住んでいるミセスの欲望を満たされる相手にもされてる。
このミセスがメアリー・スティーンバーゲン。
イマイチ老け顔のスティーンバーゲンさんは、先に「バック・トウ・ザ・フューチャー3」で過去に行ったドクのお相手になる素敵な役だったのですが、ドクのお相手だったこともあって老けて感じてたんですよね。
この作品の時もアラフォーなんですがデップと誕生日の地階私としてはすんごいおばさんに思えてたので、いまひとつ好きになれなくて(^^;)
再見しても感じたのは彼女は何も満たされてない女だったという事。
ギルバートと毎回情事をしているようで、自分から迫って行ってる。
日によっては夫の仕事場に電話をかけさせてたじろいでいるギルバートの股間に迫るふざけたことまで(><)
 
夫は妻を大事にしているシチュエーションのようだけど、彼女は田舎に連れて来られていることが不満なのか夫には満たされてない雰囲気。
2人の小さな子供たちに対しても映像からは母性が全然感じられなかった。
たぶん、彼女は自分のことしか考えられなかったんだろうな。
 
ギルバートの日常に突如現れたのがトレーラーハウスで移動生活をするキャラバンからはぐれた一組の中の少女ベッキー。
演じてるのがジュリエット・ルイス。当時、人気上昇中の彼女でしたが首が長くてスリムなイメージでした。
この映画ではベリーショートにしていて、登場シーンではチューリップはっとを深くかぶって自転車を押していて可愛かった。
人の欠点を長所に見てくれる雰囲気の理想的女性なのにそれが自然で、家に、町に縛り付けられた生活のギルバートが気持ちを和らげる存在になるけど、また旅立つ彼女たちを見送る。
 
そのあとからのラストへの展開はネタバレになるのでほのめかしですが、ずっと家のために尽くしてきたことが当然のようだったギルバートに感謝を伝える母親、そのときに母への思慕の瞳で見つめるギルバート。
ギルバートができた息子なのかどうかは別として家族の無償の愛が彼らをそうさせていたんだろうな。
それが良いのか気の毒なのかは別の話しとしても。
最近、若者が家族の介護をする事例が多いらしくヤングケアラーと呼ばれているけど、これってまさしくそういう話しなんじゃないの?と思うのですが、悲壮感がないのは作品の持つ優しい空気感なんだろうな。
幼なじみ役のジョン・C・ライリー(名バイプレイヤーです)やクリスビン・グローバー(バック・トゥ・ザ・フューチャーではパパやってた人ね)たちの親身な存在や、町にファストフードチェーンができて大騒ぎしたり、母親を見世物扱いでのぞきに来る子になにも言わないギルバートだったり、淡々としてるわけではないし、嫌な雰囲気の街の人の視線のシーンもあるのに、そこの印象が残像にならない所のある作品でした。
ジョニー・デップ演じるギルバートの視線もギラついてないのが(前半あきらめてたのかもしれないけど)逆に刺さる感じでもありました。
キュンハート
 
当時のパンフレットは正方形のA4変型版なのでパンフレットの仲間の所には整理しにくかった(^^;)
でも、オールカラーで美装でした。

裏表紙。素敵です。
 
登場人物説明もあったり。
 
淀川長治さんの文章も執筆されてました。
まだディカプリオもデップくんも黎明期なので淀川さんの誉め方もタイムトラベル感覚で読んでて面白かったです。
二人とも現役のトップスターですからね~。
 
 
ちょっとね、新作よりも90年前後の作品を再鑑賞したいな~と最近は思ってます。