「ぁの~、…このハンカチ…落とされませんでしたか?」と、…手には、俺のハンカチが…
「ぁっ、…すみません」と、…ハンカチを受け取る時…触れた手が、…
<なんだ、…これ…?>と、…体の中に、衝撃が走った。
俺は、俺を見つめる奴の目に…魔力のようなものを、感じた。
<どうしたんだ…俺?>
「ありがとう」と言って振り返り、そそくさと駅に向かった。
<この湧き上る感情は、何なんだ>…
<あの時…プラネタリウムで…触れた、手…>
俺は、体に熱りを感じた。
アパ―トに、灯りが…点いていた。
ドアを開け…入ろうとすると…
「待って…塩を持って行くから…」と、中からシニョンの声が…清めが終り、部屋に入ると…
「遅かったのね」と、…
「うん…ジニ先輩と飲んでたから…」
「そう~、先輩…なんだって?」
「別に…」
「別にって…こんなに遅くまで一緒に居て…」
「… 」…俺は、話す気になれなかった。
いや、忘れたかった。
聞かない事に、したかった。
何も無かった。…だけど…そう思わずには、居れなかった。
食事を済ませ、コ-ヒ―を飲みながらTVを2人で見ていると…
何が可笑しいのか、シニョンは…絶えず、笑い声を上げていた。
外に、目をやると…暗い中で光る星が…淋しさを、増させた。
<奴は?>と、ふと…思った。
ベットの中に、冷たい風が…忍びこんで、いた。
つづく

