クリント・イーストウッド監督の作品。

主演はブラッドリー・クーパー。


元は田舎のカウボーイだったのに、尻軽女に浮気されて人生一変。

シールズの訓練受けてイラクに派遣されるんだけど…


戦争は「国を守るため」と言ってもそんなに綺麗事で済まされるものでもないよね。

1回目、2回目、3回目と派遣が繰り返されるごとに少しずつ心が蝕まれていく。作品の中では戦場に心を置いてきた、心も一緒に帰ってきて、と表現されているけど、まさにそんな感じ。ぴったりな表現。


戦場では第一に仲間を守るナイスガイだし、誰よりも狙撃の腕が上手いから殺さないといけないし、その判断をしないといけない。でも家に帰れば可愛い息子と娘、妻を守る優しいパパ。どっちもクラス(ブラッドリー・クーパー)で。どうしようもなく行き詰まるのもわからないではないよね。ただただ苦しい。私はやっぱり戦争を憎む。


タヤ(妻)からすると、愛する夫が派遣から帰ってきても喋らなかったり、テレビの真っ暗な画面を眺めたまま動かなかったり、車に乗っててもミラーに映る車に必要以上に敏感になったり、子供にじゃれる犬を必要以上にこらしめようとしたり。おかしな行動を取る夫を、困惑もしつつも、見守り、大切に思っていることを伝えたり。常軌を逸する行動を取る夫の心を、取り戻すように、優しく包み込む。


少しずつ元のクリスになりつつあるかな、というところでまさかのラストですよ。悲しくて仕方ないです。やっぱり戦争は憎いです。