「お幸せに」列島祝福、紀宮さま黒田さん・笑顔の門出
天皇家の長女が、住み慣れた皇居を離れる日が訪れた。
36年間ともに過ごした天皇、皇后両陛下に別れを告げ、黒田慶樹さん(40)との挙式に臨まれた紀宮さま(36)。兄、秋篠宮さまの親友だった黒田さんと子ども時代に出会った紀宮さまは、2003年1月の再会から3年近くを経て、その妻となられた。
この日、皇居と結婚式会場の帝国ホテル(東京・内幸町)を結ぶ都心の沿道には、朝から多くの人が詰めかけ、門出を祝った。
嫁ぐ日の朝。紀宮さまは両陛下と一緒に皇居・吹上御苑を散策し、小雨で湿った小道をゆっくりと歩かれた。周囲は紅葉ですっかり色づいている。
朝食も3人で一緒に。その後、かつて昭和天皇と香淳皇后が住み、看病に何度も通った吹上御所の庭で、しばらくの時を両陛下と過ごされた。
紀宮さまは、御所の応接間で両陛下にお別れのあいさつをされた後、出発。両陛下は御所の車寄せで、車が見えなくなるまで見送られたという。
前日の14日、紀宮さまは終日、皇后さまと一緒に新居に運ぶ荷物を出したり、結婚式の式次第をチェックしたりされた。皇后さまは紀宮さまの疲れを心配し、温かいくず湯やショウガ湯を飲ませるなどして気遣われたという。夕食も3人で。家族水入らず、最後の夜を過ごされた。15日は、御所から1LDKの賃貸マンションに住まいを移して、黒田さんとの新生活が始まる。
紀宮さまが御所を出発された直後の15日午前10時過ぎ。皇居・宮殿の東庭では宮内庁職員や皇宮護衛官約560人が見送った。「お」「幸」「せ」「に」と、職員が一文字ずつ書いた紙を持って並んでいる。拍手が起こり、「おめでとうございます」の声が続いた。
この日の披露宴にお世話係の女性や皇宮護衛官を招くなど、最後まで周囲を気遣われた紀宮さま。拍手の中、にっこりほほ笑みながら、何度も頭を下げて感謝の気持ちを表された。
黒田さんは15日午前8時半、東京都渋谷区の自宅マンションを出発。モーニングを着込んだ黒田さんが姿を現すと、集まった近所の住民ら約40人から一斉に拍手がわいた。
黒田さんは照れたような笑顔で、深々とお辞儀を繰り返し、迎えのハイヤーに乗り込んだ。
帝国ホテルに紀宮さまの車が到着したのは午前10時18分。光沢のある純白のロングドレスにパールのネックレス。扇を手にし、紀宮さまがゆっくりと降りられた。民間人への一歩――。出迎えの塚本毅・同ホテル総支配人から「おめでとうございます」とあいさつを受けると、ていねいに会釈を返された。
午前11時2分、黒田さんと紀宮さまが2階の式場へ向かった。先を歩く黒田さんはやや緊張した面持ち。紀宮さまは数歩後ろを歩き、穏やかな笑みを浮かべられていた。
(読売新聞) - 11月15日14時26分更新
車で帝国ホテルに向かわれる紀宮さまを祝福する人たち
<紀宮さま結婚>1LDKで専業主婦へ 今後の生活
区役所への手続きで、紀宮さまは15日、正式に黒田清子さんとなった。「皇族」から「専業主婦」へ。新居での暮らしは、そして料理の腕前は――。不安と期待を抱えながらの門出だが、側近は「新しい生活を楽しみにされているご様子」とみる。宮内庁は当面、相談に乗る形で新生活をサポートする。
★住まい
結婚式を一週間後に控えた今月8日、紀宮さまは、側近の若い女性らとともに都心近くの下町と山の手の雰囲気が混在する場所に建つマンションを訪れた。表向きは「知人宅への訪問」での隠密行動だった。
築数年の賃貸マンションで、部屋は家具付き1LDK。披露宴を終えて15日夜から2人が暮らす部屋には既に生活に必要な道具類が運び込まれており、紀宮さまは部屋の掃除をしたり、デパートなどで購入した食器を洗い、食器棚に収めるなどした。
「内親王さまだった方としては質素なお住まい」(同庁幹部)。側近が候補をリストアップし2人で選んだ。しかし、この部屋は「仮住まい」だ。来年3月以降、山手線内側の文教地区に建築中のマンションに完成とともに移る予定だ。皇居と都庁の両方に近い地理的な条件やマンションのセキュリティ対策などを考えて決めたという。
★料理は
15日は披露宴の後、ホテルで夕食をとってから新居に入るため、16日の朝食作りから主婦としての生活が始まる。料理について、側近は「レシピをご覧になって、大膳(天皇家の食事の世話係)の職員に材料を用意してもらった後は、ご自分で作られます」と話す。
黒田さんや友人が御所を訪問した時には、初めて挑戦する料理でもレシピをもとに作って振舞う大胆な面もあるという。レパートリーは和洋中華と幅広い。地方に出かけた時も、興味のある料理があると、作り方を教わるなど研究熱心という。ただ、食品などの日常の買い物は当面知人らがサポートすることになる。
★主婦に徹して
側近が「中途半端なことはお嫌い」と語る紀宮さま。長年続けてきたアイメイトチャリティコンサートなどの行事への出席や鳥類の研究などもやめて、当面「専業主婦」に徹することになりそうだ。新婚旅行の計画は今のところない。黒田さんの「慶弔休暇」は7日間。半年間有効で、年明けに予定される伊勢神宮への参拝が、実質的なハネムーンになりそうだ。【大久保和夫、清水忠彦】
(毎日新聞) - 11月15日15時2分更新
帝国ホテルに到着した紀宮さま
結婚式のため、帝国ホテルに到着された紀宮さま(15日午前、東京都千代田区)(時事通信社)13時40分更新
紀宮さまご結婚 皇室離れ民間人に
天皇家の長女紀宮さま(36)は15日、東京都職員黒田慶樹さん(40)と結婚された。式は午前11時すぎから東京都千代田区の帝国ホテルで挙げられた。代理の宮内庁職員が正午前に婚姻届を提出、受理された。皇族の身分を離れ、民間人の「黒田清子さん」としての生活がスタートした。紀宮さまは午後2時からの記者会見で「黒田家の一人として新しい生活に臨んでまいりたい」と述べた。
天皇家の女子の結婚は、1960年に島津久永さんと結婚した昭和天皇の五女貴子さん以来45年ぶり。国が支給する一時金は1億5250万円。
天皇、皇后両陛下と皇太子ご夫妻ら皇族方は結婚式と午後4時からの披露宴に出席。両陛下が皇族女子の披露宴に出席されるのは初めてとなる。
記者会見では、結婚式と同じ白のロングドレス姿の紀宮さまが「(式を終え)安堵(あんど)している」、モーニングを着た黒田さんは「心安らぐ静かな家庭を築きたい」と、それぞれ話した。
(共同通信) - 11月15日15時26分更新
結婚式場に入る黒田慶樹さんと紀宮さま=15日午前11時2分、東京・内幸町の帝国ホテル(代表撮影)