04年10月の新潟県中越地震で一時全村避難した旧山古志村(長岡市)で継続していた5集落(106世帯、285人)の避難指示が4月1日、解除される。約2年半ぶりにすべての住民が古里に戻ることができる。だが、自宅を失い、仮設住宅に暮らす被災者は喜びと不安が相半ばしたまま、帰郷の日を待ちわびている。
 同市陽光台の仮設住宅に住む無職、関登志雄さん(78)は「村に戻れても、何かが変わるわけじゃあない」と苦笑する。自宅は全壊し、営んでいた養鯉(ようり)業は、池が崩壊したため休業状態。年金と長男(55)の仕送りだけが頼りの今、自宅再建は不可能の状態だ。「(避難指示解除で)コイをまた飼う準備ができるようにはなる。それだけが救いだな」とわずかな期待を寄せる。
 長男は地震後、通勤の不便さからアパートを借りた。妻との2人暮らしではあまりに寂しくて、地震当日に近所で生まれた子犬をもらい、「ポチ」と名付け、2歳半になった今では立派な家族の一員だ。
 同市の帰村目標は発生から3年の今年10月23日。しかし入居予定の旧村内の公営住宅は、まだ土地造成も始まっていない。「家ができれば、長男も戻り3人と1匹で暮らせるのに」と造成が始まる日を待っている。【渡辺暢】

最終更新:4月1日3時6分 毎日新聞


避難指示、全面解除―旧山古志村5集落
4月1日13時19分配信 時事通信

長岡市内の仮設住宅から集まった住民。04年10月の新潟県中越地震で、全村避難した旧山古志村(現長岡市)の5集

落に最後まで出されていた避難指示が解除され、記念式典が行われた(1日、長岡市山古志支所)(時事通信社)
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復興への思いを込めたのぼり
4月1日13時41分配信 時事通信

新潟県中越地震で全村避難した旧山古志村(現長岡市)の5集落に最後まで出されていた避難指示が解除された。崩れず残った神社にも復興への思いを込めたのぼりが立てられた(1日午前、旧山古志村)(時事通信社)

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