ピーターパンの空の飛び方は、


「心を楽しいことでいっぱいにする」


というものだった。苦しいことや嫌なこと、心配事などを一切なくして、心を楽しさだけで埋める。そうすると空は飛べるのである。


ピーターパンは子供に、「さぁ心を楽しいことでいっぱいにしてごらん。」と言うのだが、なかなかそれができない。明日の宿題のこと、恐い先生、ママ、パパ、いろんな人がでてきては、それを邪魔するが最終的には全員空を飛べるようになるというもの。


人間は普通に生活しているだけでも嫌なことに出会わないほうがおかしい。人それぞれ何かにぶつかり自分なりの解決方法でもって、または他人の協力もありながら、嫌なことを処理していく。そしてまた新たな問題が出てきてという繰り返しだ。


私の場合、子供の頃に比べると、そういった嫌なことが格段に多くなった。本音で話すことがすくなくなり、人の顔色を伺い、嫌われないように興味のない話にも笑顔で愛想笑い。大人という社会がこういう仕組みと割り切れば、なんとかやっていける。だけど。


だけど絶対馴染めない。考えることが多い。遠慮することが多い。イヤだ。イヤだ。


拒絶している内に、うまくやっていた愛想笑いもできなくなり、それが原因で何度の苦痛も味わった。気が付いたら私は自分から話かけるということをしなくなった。ついに私の周りに誰もいなくなった。


決して嫌いなわけじゃない。


ただやり方がわからない。


そしてそれがイヤだということも自分では分かる。こういう社会も嫌い、それにうまく対応できない自分も嫌い。


そしてそれがイヤ。


いつしか何が楽しさなのか、それすら分からなくて。


ただ言えるのは、今の自分じゃあ絶対空は飛べないということだけで。愚痴ばっかだな。